
「夜勤に入れるスタッフが足りない。このままでは人員基準を割ってしまう」――そんな切迫した相談が、京都の介護現場から後を絶ちません。
認知症高齢者の生活を24時間体制で支えるグループホームは、地域包括ケアの要です。しかしその経営現場は、慢性的な夜勤スタッフ不足と厳格な人員配置基準という二重の壁に阻まれています。管理者が連日夜勤に入って疲弊しきっている施設も、決して珍しくありません。自前での採用に限界を感じ、人員と施設をまとめて確保できるM&A(事業譲渡・株式譲渡)に活路を求める法人が急増する一方、限界を迎える前に「地域の拠点を残すため」譲渡を決断する経営者様も増えています。
ただ、M&Aには仲介手数料や買収前のコンプライアンス調査(デューデリジェンス)など、まとまったキャッシュアウトが避けられません。この負担を大きく軽減できるのが、国の「事業承継・M&A補助金(専門家活用型)」です。
本記事では、認定支援機関として京都の介護現場に伴走する立場から、最新の公募要領に基づき、グループホーム特有の「労務・設備リスク」への対処法と、補助金を確実に受給するための実践的な戦略を解説します。
【グループホーム事業者がこの補助金を使うべき3つの理由】
グループホームのM&Aは、一般的な企業買収とは次元が異なります。行政の「指定基準」と「労働基準法」の双方をクリアしているかを精査するデューデリジェンスを省くと、買収後に取り返しのつかない事態を招きます。
24時間体制のグループホームでは、夜勤スタッフの労働時間管理が非常に複雑です。休憩時間が実質的に取れていない「手待時間」の問題や、夜勤手当の計算不備による未払い賃金が常態化しているケースがあります。M&A後にこれらが発覚すれば、過去に遡って多額の請求を受けるリスクがあります。こうした「簿外債務」を事前に洗い出す人事労務デューデリジェンスの費用は、本補助金の対象となります。
「計画作成担当者」や「管理者」の資格要件、あるいは夜勤職員の配置基準を満たさないまま介護報酬を受け取っていた場合、実地指導で数千万円規模の返還金を命じられるリスクがあります。過去のシフト表やレセプトを法務・財務のプロが精査する費用は、買収後の経営を守るための「生存コスト」といえます。
民家を改修して運営しているグループホームでは、スプリンクラーや自動火災報知設備の設置義務違反、あるいは用途変更の手続き漏れといったコンプライアンス上の重大な瑕疵が潜んでいることがあります。これらの設備・法務リスクを調査する費用にも、補助金を活用できます。
多くの補助金の補助率は「1/2」ですが、本補助金の「買い手支援類型(I型)」は無条件で「補助率2/3」が適用されます。
さらに、基本の補助上限額600万円に加え、デューデリジェンスを実施する場合は200万円が上乗せされ、最大800万円まで補助枠が広がります。
グループホームのM&Aにおいて「労務・法務DD」は絶対に省けないプロセスです。専門家への調査費用を惜しんで、後から指定取り消しや返還金のリスクを背負い込むのは、どう考えても割に合いません。「DD上乗せ枠」をフルに活用して、クリーンな施設を引き継ぐことが賢明です。
補助金は申請すれば必ずもらえるものではありません。審査を通過して初めて受け取れます。そこで審査を有利に進める武器が「加点事由(ボーナスポイント)」です。
本補助金には、「事業場内最低賃金を+30円以上引き上げる計画を策定し、従業員へ表明する」ことで審査上の加点が得られる仕組みがあります。介護業界では、介護職員処遇改善加算の要件を満たすために、すでに賃上げやベースアップを計画している法人が大半です。「どうせ処遇改善を行うなら、その計画を補助金の加点材料として公式に使い、採択を確実に勝ち取る」――これが賢い経営判断です。
補助金は「何でも使える」わけではありません。介護経営者が特に勘違いしやすいポイントをまとめました。
【対象外(NG)になる経費の代表例】
【対象(OK)になり得る経費】
補助金申請で最も多い失敗が、「フライング着手」です。
原則として、補助対象となる経費は「交付決定通知書」が届いた日以降に契約・発注・支払いを行ったものに限られます。
よくあるのが、話し合いが進んでいるからと焦って、交付決定前にM&A仲介会社と本契約を結んだり、弁護士にDDを依頼してしまうケースです。こうなると、その費用は全額対象外になります。どれだけ話が煮詰まっていても、ハンコを押す前に必ず認定支援機関を巻き込み、スケジュールを整理することが不可欠です。
グループホームのM&Aは、行政手続き・労務精査・補助金申請が複雑に絡み合います。国に登録された認定経営革新等支援機関として、M&Aプロセス全体を通じて以下のサポートを行います。
当事務所の支援スタンス
仲介手数料や法務・財務デューデリジェンス費用で総額600万円(税抜)の経費が発生する場合の試算です(買い手支援類型)。
さらに、DD費用として追加で150万円かかった場合、その2/3(100万円)も上乗せ補助されます。合計すると500万円の補助を受け取れる計算です。手続きを知っているかどうかだけで、これほどの差が生まれます。
※公募回や申請枠の要件により、補助率・上限額は異なります。申請前に必ず最新の公募要領をご確認ください。
設備は対象外、契約は交付決定後から――知らなければ数百万円を損する落とし穴が随所にあります。認定支援機関として、「確実に得をする」補助金活用と専門家連携のプランを個別にアドバイスします。
無料相談はこちら:https://tsunagupartners.com/contact.php
※完全秘密厳守。まずは「自社が補助金の対象になるか」の診断からお気軽にどうぞ。
あわせて読みたい関連記事