
学習塾の経営という仕事は、不思議なものです。模試の結果に一喜一憂し、志望校合格の知らせに涙する。子どもたちの人生が大きく動き出す瞬間に立ち会えるこの仕事は、私にとって人生最高の「第2のステージ」でした。
しかし、情熱だけでは誤魔化せない現実が、少しずつ足元から忍び寄ってきます。時計の針が深夜11時を回る頃、静まり返った教室で片付けをしながら、「自分はこの仕事をあと何年続けられるだろうか」と自問自答する日々。
将来の選択肢として聞いておきたい方が多いテーマです。
「今すぐ譲る」と決めていなくても、準備を始めるだけで選択肢が広がる傾向があります。
今回は、一人の塾経営者として私が直面した葛藤と、出口の見えない「廃業」の不安をどう乗り越え、納得のいく後継者に教室を託したのか。その心の軌跡を綴ります。
かつては大企業で組織を動かしていた私が、50代後半で選んだのは、わずか数十平米の小さな個別指導塾でした。「教育こそが国を支える」という大志を抱いての転身。会社員時代のスキルを駆使し、緻密な戦略を立て、生徒一人ひとりの目標達成に心血を注いできました。
塾は、彼らにとっての「逃げ場所」であり「羽ばたく場所」でもあります。その場所を預かる責任感こそが私の原動力でした。
しかし、60代半ばに差し掛かると、生活のリズムが重くのしかかります。午後から始まる仕事は、深夜まで及びます。特に受験シーズンは、朝から晩まで集中力が一秒も切らせません。
「もし私が倒れたら、この子たちの受験はどうなる?」そんな恐怖に近い責任感が、徐々に「引き際」を意識させるようになりました。
掲げていた「65歳リタイア」という目標。それは、自分自身の平穏のためだけでなく、塾の質を維持するための限界点でもあったのです。
いざ「誰かに譲ろう」と動いてみたものの、最初に突き当たったのは、教育現場の温度感を知らない「投資家」たちの視線でした。
「利益率はあと数パーセント上げられる」
「この立地なら、もっと生徒を詰め込める」
彼らの言葉からは、生徒たちの顔も、講師たちの熱意も感じられませんでした。塾を単なる「キャッシュを生むマシーン」としてしか見ていない。そんな相手に、自分の魂を削って作った場所を渡せるはずがありません。
「塾の経営は、人の成長を特等席で見ることだ」その本質を共有できない相手には、安売りはしない。私はネットワークを広げ、もっと広い世界から「教育への想い」を語れるパートナーを探すことに決めました。
公に募集をかけてみると、意外なほど多くの反応がありました。膨大なメッセージの中で、私が注目したのは「事業計画書」の完成度ではありませんでした。
私が求めたのは、「誠実さのスピード」です。問いかけに対して即座に打ち返してくる。その速さは、そのまま生徒や保護者に対する責任感の強さに直結します。
そして、初めて電話で声を交わした瞬間の直感。優しく、どこか安心感を与えるトーン。これこそが、多感な時期の子どもたちを預かる人間に必要な「器」だと感じました。
「この人なら、保護者も安心して背中を預けられる」。技術や知識は後から補えますが、その人が持つ天性の優しさは、教育者にとって何物にも代えがたい資産です。
運命的な相手に出会った後、私が徹底したのは「美辞麗句を並べないこと」でした。
塾経営の厳しさ、講師陣の個癖、教室が抱える課題。あえてネガティブなデータも含め、すべてを「見える化」して提示しました。
「手に入れた後に『こんなはずじゃなかった』と思わせてはいけない。それが、譲り受けてくれる相手に対する、そして塾の未来に対する私の最後の誠実さでした」
この透明性が、結果として短期間での深い信頼を生みました。互いに腹を割って話せたからこそ、かつてないスピードでバトンタッチが実現したのです。
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譲渡を終えた今、私の生活は一変しました。深夜の帰宅はなくなり、長年の夢だった「教育支援活動」に軸足を移しています。
時折、かつての教室を遠くから眺めることがあります。そこには、新しいオーナーのもとで、変わらず机に向かう生徒たちの姿があります。もし私が「廃業」を選んでいたら、あの場所は今ごろ更地か、全く別の店舗になっていたでしょう。生徒たちは居場所を失い、講師たちは職を失っていた。
「自分の代で終わらせる」のは潔いように見えて、実は最も無責任な選択かもしれません。勇気を持って、自分が守ってきた「灯」を誰かに託すこと。それは、経営者としての人生を、最高の形で肯定することでもあります。
もし今、あなたが孤独に「閉校」を考えているのなら、どうか思い出してください。あなたの育てた塾を、喉から手が出るほど求めている「情熱ある後継者」が、必ずどこかで待っているということを。
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