相談事例
2025年10月29日
後継者不在の京都の訪問看護事業経営者が、廃業とM&Aについて理解すべきポイント
「自分が倒れたら、利用者はどうなる、廃業?」──訪問看護経営者の現実
京都でも在宅医療を支える訪問看護ステーションは増えています。一方で、経営者自身が現場を担う小規模事業者ほど、後継者不在の問題を抱えているのが実情です。「看護師の採用が難しい」「レセプトが夜中に回ってくる」「自分が抜けたら稼働が止まる」──そんな不安を抱えながら継続している方も少なくありません。
選択肢は大きく廃業かM&A(第三者承継)。どちらにもメリット・留意点があり、利用者・スタッフ・取引先(主治医/ケアマネ)への影響を具体で捉えることが肝要です。
M&A:事業の継続
訪問看護M&Aの主要メリット
・利用者支援の継続:引継計画に基づく訪問スケジュール移行
・雇用維持:スタッフの処遇・教育を買い手基準へアップデート可能
・経営者の出口戦略:対価の獲得、引継ぎ期間を経てソフトランディング
京都では医療法人・社会福祉法人・介護大手がネットワーク拡大のため訪問看護を求める例が多く、地域の信頼・加算取得実績を有するステーションは評価されやすい傾向です。
買い手が見る「3つの評価軸」
- 人材・運営体制:管理者の要件充足、常勤換算(看護/リハ)、オンコール体制、離職率。
→「社長が抜けても回る」運用設計の有無で評価が分かれます。
- 稼働と売上の安定性:常勤換算2.5〜4.0名で月延べ300〜500件が一つの目安。利用者属性(ターミナル・難病等)や医療依存度、紹介経路の分散度も確認されます。
- レセプト品質・加算取得:緊急時訪問看護加算、特別管理指導、退院直後等加算の取得状況、返戻/減算率。
→請求の適正さと監査耐性は価値に直結します。
評価を落とす“要注意シグナル”
- 主治医・ケアマネ関係が個人(社長)依存で属人化
- 管理者不在/名ばかり
- 不適切請求の履歴、返戻・減算多発
- オンコール過多、社長が訪問の過半という稼働構造
改善の打ち手(売却前の“整備”)
・シフトと役割分担の標準化(訪問・記録・レセプトの分業)
・紹介源(主治医/退院調整看護師/居宅)のネットワークを組織で保有
・レセプト二重チェック体制、監査対応マニュアルの整備
廃業を選ぶ場合に必要な実務
主な手順と負荷
①全利用者の転所調整(受入先確保/情報提供/同意)
②従業員の雇用調整(退職合意・未払/有休精算・離職票)
③医療機器・車両・IT(電子カルテ/請求)処分とデータ保全
④保険請求の完了、紙/電子記録の法定保存管理
⑤行政・保険者への廃止届出、掲示・標識の撤去
廃業は意思決定が明確な反面、心理・事務負荷が大きく、地域のサービス空白を生む可能性があります。利用者・従業員を守る観点では、まずM&Aの適否を検証してからでも遅くありません。
M&A時の価格感の目安
小規模訪問看護の譲渡価格は、株式譲渡の場合、貸借対照表の時価純資産に営業利益の2~5倍を加算して求められることが一般的です。
売却検討のための「棚卸し」チェック
- 直近12か月の利用者数推移、稼働(訪問件数/種別)をグラフ化
- 紹介源別の件数・継続率、代替紹介源の有無
- 人員配置(常勤/非常勤/オンコール)、資格要件の充足
- レセプト返戻率、加算の取得根拠資料、内部監査記録
- 契約/リース/車両/システムなどの引継条件の洗い出し
まずは“時間を味方にする”準備から
今からできる3ステップ
1)数字の見える化(稼働・返戻・離職・紹介源)
2)属人業務の標準化(マニュアル/権限移譲)
3)オーナー不在の体制強化(経営者がいなくても稼働する現場)
結論を急ぐ必要はありません。最適なタイミングで動けるように準備しておくことが、事業承継の方針を明確にします。
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