
京都府内でプラスチック射出成形業を営む経営者様にとって、後継者不在による出口戦略は、長年培った「成形技術」と「金型資産」、そして大切な従業員の雇用を守るための極めて重要な決断です。
長年築き上げた「大手メーカーとの口座」や「高精度な成形ノウハウ」を正当な対価として受け取る「小規模M&A」の最新相場と査定ロジックを解説します。
【スマホで30秒:この記事の結論】
プラスチック成形業のM&A査定では、一般企業の計算式をベースにしつつも、製造業特有の「機械設備の劣化状況」と「電気代等の固定費負担」をどう収益性に反映させるかがポイントになります。
(時価純資産) + (修正EBITDA × 2〜4年)
射出成形機、取り出しロボット、乾燥機、金型温度調節機などの設備は、法定耐用年数が過ぎていても、メンテナンスが行き届き「現役で稼働可能」であれば価値として認められます。私が査定を行う際は、電動式か油圧式か、スクリューの摩耗状況、そして「省エネ性能」を注視します。電気代高騰の折、省エネ型機を導入していることは、買い手にとっての将来コスト低減に繋がるため、プラス査定の要因となります。
オーナー経営の場合、役員報酬の適正化や私的経費の足し戻しはもちろんですが、成形業では「電気代の変動リスク」や「修繕費の傾向」を精査します。オーナーが自ら金型のメンテや生産管理を行っている場合、その業務を代替する人材を採用した際の実質的な利益を算出します。この修正後の利益が、営業権(のれん代)算出の基礎となります。
買い手(同業大手、多角化を狙う商社、川下への進出を狙う金型メーカー等)が、高くても買いたいと判断する資産を深掘りします。
製造業のM&Aで、最終局面において減額要因となりやすいポイントを解説します。
● 時価純資産:4,500万円
(現預金、成形機時価、自社金型、売掛金)
● 修正後の実質利益(EBITDA):1,500万円
(オーナー報酬調整、過度な節税経費を足し戻し後)
● 評価倍率:3.0倍
(優良な取引口座と安定した品質管理体制を評価)
● 営業権評価:4,500万円
譲渡想定価格:9,000万円
廃業を選んだ場合、機械の搬出費用や中古業者による買いたたき、さらには工場の原状回復費用で、手元にはほとんど現金が残りません。M&Aであれば、これまでの技術と信頼を「営業権」として正当に現金化し、リタイア後の生活資金を最大化することが可能です。特に設備投資の負担が重い成形業こそ、早期の出口戦略の検討が必要です。
射出成形業のM&Aを成功させるためには、買い手が「この工場なら安心して生産を任せられる」と思えるエビデンスを揃えることが重要です。
機械設備の価値や取引口座の重みをロジカルに数値化し、貴社の「本当の価値」を引き出します。廃業を決める前に、まずは現在の市場価値を確認してください。
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