
京都府内で動物病院を経営される院長先生にとって、後継者不在による出口戦略は、地域住民(飼い主様)と大切なスタッフの雇用を守るための極めて重要な決断です。
長年築き上げた「飼い主様からの信頼(カルテ枚数)」や「高度な医療機器資産」を正当な対価として受け取る「小規模M&A」の最新相場と査定ロジックを解説します。
【スマホで30秒:この記事の結論】
動物病院のM&A査定では、一般企業と同様の「コストアプローチ(時価純資産)」と「インカムアプローチ(収益力)」を組み合わせた方式が採用されます。
(時価純資産) + (修正EBITDA × 2〜4年)
CT、MRI、超音波診断装置、内視鏡などの高額な医療機器は、法定耐用年数が過ぎて帳簿価額が1円になっていても、現場で正常に稼働し、収益に貢献している場合は「時価」として評価に加算します。一方で、旧式でメンテナンス契約が切れている機器はマイナス査定の対象となります。
京都の古い町家を改装した病院などの場合、内装の減価償却状況と「買い手による改装の必要性」も価格に影響します。清潔感のある待合室や、機能的な動線が確保されている病院は、譲渡後の運営コストが低いと判断され、評価が高まります。
個人院の場合、院長先生の報酬が市場相場より高く設定されているケースがあります。査定では「代診の獣医師を雇った場合の市場給与」を差し引いた後の利益を「真の事業利益」として再計算します。また、学会参加費や車両維持費、個人的な保険料などを利益に足し戻すことで、経営実態を浮き彫りにします。この修正作業によって、一見赤字に近い決算でも、数百万円から一千万円単位の「実質利益」が算出されることが多々あります。
買い手(特に大手広域グループ)が、最も注視する動物病院特有の指標を深掘りします。
成約直前の調査で、価格が大幅に削られる(あるいは破談になる)主な要因を整理します。これらを事前に整備しておくことが、高値売却の絶対条件です。
● 時価純資産:2,500万円
(現預金、医療機器時価、敷金等)
● 修正後の実質利益(EBITDA):1,500万円
(院長報酬を代診相場へ置き換え、私的経費を修正後)
● 評価倍率:3.0倍
(安定したスタッフ体制とカルテ枚数を評価)
● 営業権評価:4,500万円
譲渡想定価格:7,000万円
廃業を選んだ場合、医療機器は中古市場で安値売却され、内装の原状回復費やスタッフの退職金支払いで、現金の持ち出しになる可能性すらあります。M&Aであれば、先生が人生をかけて築いた病院が存続し、リタイア後の生活を支える十分な「創業者利益」を得ることが可能です。地域医療への貢献を、正当な対価として現金化する唯一の手段と言えます。
動物病院のM&Aが成功するかどうかは、譲渡後の「院長交代」をいかにスムーズに行うかにかかっています。
カルテ枚数やスタッフの技術力をロジカルに数値化し、貴院の「本当の価値」を引き出します。廃業を決める前に、まずは現在の市場価値を確認してください。
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