相談事例
2025年11月09日
後継者不在の京都の製麺所の経営者が理解すべき、M&Aで想定される買い手候補

京都の製麺所経営者が抱える「後継者不在」という現実
京都府内では、うどん・そば・ラーメン用の製麺所が数多く存在します。
しかし、その多くは家族経営や少人数体制であり、60代・70代の経営者が現場を支えているのが実情です。
「跡継ぎがいない」「設備投資の負担が重い」「取引先に迷惑をかけたくない」──そんな悩みを抱えていることもあり、廃業には踏み切れない経営者が増えています。
こうした中で、
M&A(事業の譲渡・承継)によって、会社を“残す”選択をするケースが少しずつ広がっています。
ここでは、
京都の製麺所がM&Aを検討する際に想定される買い手候補を、水平統合・垂直統合の2つの視点から解説します。
【この記事でわかること】
・製麺業界で進む「水平統合」「垂直統合」の流れ
・京都で想定される具体的な買い手像
・M&Aが選ばれる理由と、譲渡後の運営イメージ
水平統合──同業との統合で“生産効率”を高める動き
京都の製麺所で増えているのが、
同業者同士の統合(水平統合)です。
これは、同じ業種間で設備・人材・取引基盤をまとめ、生産効率を上げる動きです。
具体的には、
- 生産ラインの共有で製造コストを削減
- 納品ルートや営業拠点を統合し、配送効率を向上
- 共同でのブランド展開や商品開発
買い手として多いのは、
京都・大阪・滋賀などで複数の製麺工場を持つ中堅メーカーです。
たとえば「中華麺・うどん・そば」など複数ラインを扱う企業が、特定カテゴリに強い地元工場を取り込み、全体最適を図るケースが見られます。
経営者が高齢で後継者が不在でも、
社員や職人の雇用を維持したまま生産拠点として残すことが可能です。
垂直統合──飲食・流通業による“原材料確保”のためのM&A
もうひとつ注目されるのが、
垂直統合(川上・川下の一体化)です。
つまり、「製麺所を仕入れ先として使ってきた業種」が、安定供給や原価改善を目的に買収する動きです。
想定される買い手は次の通りです。
① ラーメン・うどん・そばチェーン企業
→ 自社店舗向けの麺を内製化し、品質と価格をコントロールする狙い。
② 食品商社・業務用卸業者
→ 取引先レストランや給食向けに、安定した供給ラインを確保する目的。
③ 外食・惣菜メーカー
→ 自社製品(冷凍麺・セット商品)のOEM基盤として製麺機能を内製化。
これらの垂直統合型の買収では、
「既存の取引先・ブランド・レシピ」がそのまま引き継がれることが多く、職人や従業員の継続雇用が重視されます。
水平統合と垂直統合の比較
| 観点 | 水平統合(同業間) | 垂直統合(関連業種) |
|---|
| 目的 | 生産効率・コスト削減 | 供給安定・品質管理 |
| 買い手の主な狙い | 拠点・機械・人材の最適化 | 原材料調達・ブランド強化 |
| 残りやすい要素 | 職人・製法・取引先 | ブランド名・製造技術 |
| 変わりやすい要素 | 経理・物流・仕入れ体制 | 生産量・取引範囲 |
| 向く経営者タイプ | 地場に根ざし安定黒字型 | 取引先を守りたい堅実型 |
買い手が重視する評価ポイント
- 営業利益率:3〜5%以上あると高い評価。
- 取引先の継続性:同一取引が3年以上続いているか。
- 職人層の定着率:技術者が残るかどうか。
- 設備状態:主要製麺機械の更新年・稼働率。
売上規模等の財務数値の他、
「安定した取引」と「従業員が有するノウハウ」が重視されます。
買い手は“設備と人材”をセットで評価しており、現場が健全に稼働しているうちに検討に動けばより高い評価を得られます。
“身売り”ではなく“承継”という発想を
製麺業は、地域の食文化を支えるインフラのような存在です。
廃業すれば、取引先の飲食店や社員の生活にも影響します。
だからこそ、M&Aは
「取引先や雇用を承継するための手段」と考えることが重要です。
京都では、伝統を守りつつ現代の流通構造に合わせた経営への転換が求められています。
経営が安定している今こそ、選択肢を検討する最適なタイミングといえるでしょう。
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