
京都でも、障害福祉サービスの一つである就労継続支援B型事業の廃業が増加しています。
特に小規模運営の事業所では、後継者不在・人材不足・報酬改定への対応難が大きな要因となっています。
「利用者の居場所を守りたいが、自分の体力が限界」という声も少なくありません。
こうした中で、事業を「終わらせる」のか、それとも「引き継ぐ」のか――。
本稿では、就労継続支援事業の経営者が知っておくべき廃業とM&Aの違い、
そして判断のポイントを整理します。
この記事でわかること
・就労継続支援B型事業の廃業実務とリスク
・M&A(事業譲渡)による承継の仕組みと利点
・京都地域での判断ポイントと留意点
まず、「廃業」は経営破綻ではなく、自主的に事業を終了することを指します。
就労継続支援事業の場合、一般企業の廃業とは異なり、行政手続き・利用者調整・職員対応が複雑です。
主な流れは以下の通りです。
特に重要なのは、利用者の移行支援です。
突然の廃止は行政指導や家族からの苦情につながる恐れがあるため、
スケジュールと説明責任を慎重に果たす必要があります。
また、退職する職員の再就職支援、備品処分費用、契約解除違約金など、
廃業に伴うコストは数十万〜数百万円に達することもあります。
一方、M&Aによる事業承継は、事業を第三者に譲渡し、継続してもらう手段です。
障害福祉分野では、特に就労継続支援A型・B型や放課後等デイサービスでM&Aが増えています。
買い手となるのは、以下のような法人が中心です。
買収側にとって、既存指定をそのまま引き継げる点が魅力です。
開設コスト(物件取得・指定申請・人員確保)を省略できるため、
小規模事業でも需要があります。
譲渡価格は、稼働率・人員配置・赤字額の状況によって変わりますが、
おおむね数百万円〜1,000万円程度での取引が見られます。
| 項目 | 廃業 | M&A |
|---|---|---|
| 目的 | 事業の整理・終了 | 事業の継続・譲渡 |
| 利用者 | 他事業所へ移行支援が必要 | 同一サービスの継続が可能 |
| 職員 | 解雇・再就職支援 | 雇用継続 |
| 行政対応 | 廃止届・返還手続き | 指定有効期間内の譲渡が前提 |
| 経営者の収益 | 原則なし(費用負担あり) | 譲渡対価を得られる |
| 期間 | 約2〜3か月 | 約3〜6か月 |
就労支援B型では、人員基準(職業指導員・生活支援員等)が満たされていることが譲渡条件となります。
スタッフが退職して配置基準を下回ると、指定取り消しのリスクが高まり、
結果的に廃業せざるを得なくなるケースもあります。
指定の有効期間が切れる前、または更新直後が譲渡しやすいタイミングです。
廃止届を出してからでは遅く、「指定が残っているうちに動く」ことがポイントです。
M&Aを進める場合も、利用者や家族への説明が必要です。
「事業は続く」「職員も残る」という安心感を丁寧に伝えることで、
スムーズな引継ぎにつながります。
京都市・宇治市・長岡京市などでは、地域包括支援ネットワークや行政担当課との関係が重視されます。
買い手も「地域と調和して運営できるか」を重視するため、
日頃から行政・他事業所との関係を良好に保っておくことが重要です。
就労支援事業は、地域にとって欠かせない社会基盤です。
経営者が体力的に限界を感じたときでも、M&Aによる承継という道を選べば、
利用者の居場所を守り、従業員の雇用をつなぐことができます。
「うちは小規模だから売れないだろう」と感じていても、
稼働率やスタッフ体制が整っていれば買い手は見つかります。
まずは、現状を整理し、どの選択肢が最も現実的かを一緒に検討してみましょう。
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