居酒屋を閉めようと思っている。体力的に続けられない・後継者がいない。廃業を決める前に、一度立ち止まって考えてほしいことがあります。
廃業すると何が失われるか
居酒屋・バー・スナックを廃業するとき、失われるのは売上だけではありません。長年通ってくれた常連客の居場所が消えます。こだわりの内装・厨房設備は処分費用をかけて撤去することになります。深夜営業許可・酒類販売免許は廃業とともに消えます。
スケルトン(原状回復)工事の費用が発生するケースもあります。廃業しても費用がかかる。これが飲食店廃業の現実です。
M&Aなら何が変わるか
M&Aで次の経営者に引き継げれば、常連客の居場所が残ります。内装・設備・許可をそのまま渡せます。原状回復工事の費用も不要です。売却対価が得られれば、廃業費用を支払うより手元に残るものが大きくなる可能性があります。
居酒屋・バー・スナックがM&Aで評価される理由
①常連客・固定客の価値
毎週・毎月通ってくれる常連客は、引き継ぎ後すぐに収益を生む資産です。常連客がいる店舗は、ゼロから集客するより大幅にリスクが低いと買い手は判断します。
②内装・居抜き物件の価値
飲食店の内装・厨房設備に投資された費用は、居抜きでそのまま引き継げれば買い手の初期投資を大幅に削減できます。特に個性的な内装・こだわりのカウンターは、ブランドとして評価されます。
③深夜営業許可・酒類販売免許の価値
深夜0時以降の営業には深夜酒類提供飲食店営業の届出が必要です。届出には図面などの書類が要るため、届出済みで実績のある店舗は、買い手にとって手続きの見通しが立てやすくなります。
京都の飲み屋街の現状
京都の木屋町・先斗町・祇園は全国的にも有数の飲食街です。コロナ禍での閉店が続いた一方で、インバウンド需要の回復とともに夜間の集客が戻りつつあります。好立地・常連客を持つ居酒屋・バーへの買い手需要は、以前より高まっています。
スナックのM&Aの特徴
スナックのM&Aは、ママ(経営者)のキャラクターへの依存度が高い点が特徴です。常連客がオーナーではなくお店に来ている場合、引き継ぎ後も客が残りやすい傾向があります。一方で常連客がママ個人に紐づいている場合は、引き継ぎ後の客付きについて買い手と事前に丁寧に話し合う必要があります。
廃業にかかる費用を先に数える
「閉めれば終わり」と思われがちですが、飲食店の廃業には出ていくお金が並びます。テナントの原状回復工事、厨房機器やカラオケ機器のリース解約金、従業員への解雇予告手当、保証金から差し引かれる修繕費。保証金が戻るのは退去して精算が終わった後なので、工事費は先に払うことになります。店を閉めた月に、まとまった支出だけが残る形です。京都の木屋町や先斗町の店は保証金が高く、原状回復の範囲も契約で細かく決まっていることが多いので、賃貸借契約の退去条項を先に読んでおきます。
この費用を先に見積もってから、売却の手残りと並べてください。売却なら、原状回復は不要で、リースは買い手が引き継ぐ交渉ができ、従業員は雇用が続きます。手残りがプラスになるかどうかは、この比較で決まります。
許可と届出は引き継げるのか
飲食店営業の許可は保健所が営業者に出すものです。法人の株式譲渡なら許可はそのまま続きます。事業譲渡の場合も、2023年12月13日施行の食品衛生法の改正で、買い手が保健所に「地位承継届」を出せば許可を引き継げるようになりました。以前のように売り手が廃業届を出し、買い手が一から許可を取り直す二段構えは要りません。深夜0時以降に酒類を提供する店の警察署への届出(深夜酒類提供飲食店営業の届出)は営業者ごとなので、買い手が新たに届け出ます。
酒類は店内で飲んでもらう分には販売業免許は要りません。持ち帰り用のボトル販売をしている店だけ、酒類小売業免許の扱いを確認します。
飲食店の倒産は過去最多のペース
東京商工リサーチによると、2026年1月から5月の飲食業の倒産は411件で、この期間として過去最多でした。人件費の高騰を理由とする倒産が前年の6.6倍に増えています。体力のあるうちに売るか、限界まで続けて閉めるかで、手残りは大きく変わります。常連客がいて、内装が生きていて、深夜の届出が済んでいる店は、今のうちなら買い手がつきます。
2027年4月からは、持ち帰りの食料品の消費税が1%になり、店内飲食の10%との差が広がる見込みです。持ち帰りの比率が高い店は、この差が売上構成に響きます。飲食店の出口については食料品消費税1%で、飲食店はどうなるに書いています。
廃業とM&A、何が違うか
廃業の場合:設備の処分・原状回復工事の費用がかかる。常連客の行き場がなくなる。許可が消える。M&Aの場合:売却対価が得られる。常連客・内装・許可が次の経営者に引き継がれる。まず査定を受けて比較することをお勧めします。
まず現状を整理することから
「閉めるしかない」と決める前に、一度現状を整理してみてください。財務諸表を見せていただければ、M&Aが成立する可能性があるかどうか、率直にお伝えします。
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まずはご相談ください
「売ると決めたわけではない」という段階でも構いません。
会社がいくらになるのか、廃業と売却どちらが得なのか。そういった入口でも、お話をお聞きします。
一人で抱えているより、一度ご相談いただく方が、気持ちが楽になることがあります。
ご相談を、代表の吾郷が直接お受けします。
監修:中小企業診断士・事業承継士 吾郷 泰佑
京都府を中心に、小規模M&A・事業承継のご相談に1,000件以上向き合ってきました。完全成功報酬で、ご相談から成約まで代表が直接伴走します。
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