
〜時価純資産+年倍法で算出する、ブランドと顧客リストの真価〜
千年の都、京都。伝統工芸から現代のアパレル、グルメまで、京都ブランドを武器に全国へ、あるいは世界へと販路を広げてきたEC(電子商取引)事業の経営者様。
近年、EC市場は拡大を続ける一方で、広告費の高騰やプラットフォームの規約変更、さらには物流コストの増大など、経営環境はかつてないスピードで変化しています。
「独自に築き上げたブランドや顧客リストを、より資本力のある企業に託してスケールさせたい」
「第二の創業のために、一度事業を譲渡して資金を得たい」——。
そんな想いを持ったとき、まず知っておくべきは「自社のECサイトがいくらで評価されるのか」という適正価格の考え方です。
小規模・中規模のEC事業M&Aにおいて、最もスタンダードな計算方法である「時価純資産+年倍法」について、京都のEC業界特有の事情を交えて解説します。
EC事業の価値は、目に見える「在庫や設備」と、目に見えない「ブランド力やシステム、顧客データ」の組み合わせで決まります。
この手法は、移り変わりが激しいEC業界において、
「現状の資産背景」を担保しつつ、「将来の収益性」をシンプルに加算できるため、売り手・買い手の双方が納得しやすい評価基準となっています。
まずは、決算書上の「純資産」をベースに、現在の実態に合わせて数値を修正します。
EC事業では特に以下の項目が鍵となります。
倉庫に眠っている在庫は、帳簿価格ではなく「今の市場でいくらで売れるか」で再評価します。
トレンドが過ぎた商品や長期間動いていない不動在庫はマイナス評価となりますが、
定番商品や希少性の高い商品は資産として高くカウントされます。
自社で構築したECサイトのシステムや、独自の受注管理・在庫管理ツール、アプリなどを開発している場合、
その開発費や現在の有用性を考慮して資産価値を算定します。
EC事業では、過去に投下した多額の広告費が、今の「ブランド認知」や「顧客リスト」として蓄積されています。
これらは直接的な資産科目にはなりませんが、次のステップの「のれん代」を押し上げる重要な背景となります。
オーナー様が会社に貸し付けている資金は、実態としては自己資本ですので、
負債から除外して純資産をプラスに修正します。
「のれん代」こそが、EC事業M&Aの醍醐味です。
これは「そのサイトがどれだけ効率よく稼いでいるか」を数値化したものです。
決算書上の利益には、オーナー固有の事情が含まれています。
特に、特定のモール(楽天やAmazon)に依存せず、自社サイトでの売上が高い場合や、リピート率が高い場合は、
この年数が高く評価されます。
「自社ECは、いくらくらいで評価されるのか」
「どこを整えると、買い手の評価が上がるのか」
とりあえず話を聞くだけで構いません。
無理な営業は一切せず、現状整理からご一緒します。
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京都のEC事業には、他地域の事業者にはない圧倒的なアドバンテージがあります。
これらを正しく言語化して伝えることで、売却価格を大きく引き上げることが可能です。
「京都の老舗」「京都の職人」といったストーリーがあるブランドは、EC市場において極めて高い信頼を持ちます。
これは一朝一夕には作れないものであり、買い手にとっては「時間を買う」価値があります。
EC事業の最大の資産は、一度購入してくれた顧客のデータです。
特に、京都の商材を愛好する質の高い顧客ベースがあり、LTV(顧客生涯価値)が高い場合、
のれん代の倍率は飛躍的に高まります。
InstagramなどのSNSで強い発信力を持っていたり、熱狂的なファンコミュニティを形成している場合、
将来の広告費を抑制できる「資産」として高く評価されます。
注文から発送までのフローがシステム化されており、属人化(特定の人がいないと回らない状態)されていないこと。
誰が運営しても同じ品質で配送できる仕組みは、買い手にとって最も安心できる要素です。
EC事業のM&Aは、デジタル領域の知識と、京都という特殊な商慣習の両方を理解したパートナーが必要です。
日本全国、あるいは海外の買い手候補とマッチングできる組織力があります。
譲渡額が数億円を超えるような大型のD2Cブランドなどの売却には、そのスケールメリットが活きてきます。
数人規模から数十人規模のEC事業者様において、オーナー様が懸念されるのは、
「積み上げたブランドイメージが崩れないか」
「スタッフの雇用は守られるか」
「手数料で利益が削られないか」
という点です。
EC事業のM&Aは、事業を終わらせることではありません。
新しい資本やノウハウと結びつき、さらに大きく羽ばたかせるための「戦略的決断」です。
「自社のサイトは、客観的に見ていくらになるのか?」
「システムやスタッフも含めて引き継げるのか?」
そんな疑問をお持ちでしたら、まずは「時価純資産+年倍法」の考え方で、現在地を確認してみませんか。
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