相談事例
2025年11月07日
後継者不在の京都の鮮魚店店主が理解すべき、M&Aで想定される買い手候補
“仕入れも目利きも一人で”──京都の鮮魚店が直面する後継者不在の現実
京都の市場や商店街では、長年地域に親しまれてきた鮮魚店が少しずつ姿を消しつつあります。
「朝が早くて子どもには継がせづらい」「自分一人ではもう体がもたない」──そんな声が多く聞かれます。
しかし、地域の食卓を支えてきた魚屋の存在は、いまも確かな需要があります。
そこで近年注目されているのが、
M&A(事業の譲渡・承継)という選択肢です。
「閉める」ではなく「つなぐ」。技術・信用・取引網を次の世代に引き継ぐ方法として、京都でも静かに広まりつつあります。
【この記事でわかること】
・京都で鮮魚店のM&Aが進む理由
・想定される買い手候補3タイプ
・“職人の技”と“取引先”を残す承継の考え方
なぜ鮮魚店でもM&Aが増えているのか
京都は海に面していない内陸ですが、舞鶴港・宮津・伊根など日本海の漁港から毎日新鮮な魚が届きます。
こうした
地域物流と職人の目利き力を支えてきたのが、地元の鮮魚店です。
ところが、魚の仕入れ・加工・販売を一手に担う個人経営が多く、
後継者不在による廃業リスクが急増しています。
その一方で、買い手側からは「仕入れルートを確保したい」「加工技術を引き継ぎたい」というニーズが強まっています。
京都では、百貨店内の鮮魚売場や寿司チェーン・料亭グループへの卸を担う形で、M&Aが進んでいます。
店舗そのものを引き継ぐだけでなく、
仕入れルートや加工体制を事業として承継するケースが増えているのです。
想定される買い手候補3タイプ
① 同業の鮮魚店・卸売業者(水平統合)
→ 京都・大阪・滋賀など関西圏の魚問屋・スーパー鮮魚部門が、仕入れ網と職人技の承継を目的に買収。
特に「市場で信頼のある仕入れルート」や「老舗飲食店との取引」が評価されやすく、職人と従業員をそのまま雇用継続するケースも多い。
屋号を残して地域に根づく形が主流です。
② 飲食チェーン・ホテル・旅館業(垂直統合)
→ 自社店舗で使用する魚介類の仕入れ安定化を目的に、鮮魚店を承継。
京都では料亭・寿司店・旅館グループが、地元魚屋をグループ内に取り込み「仕入れ×調理×提供」を一体化する動きが見られます。
品質を重視する企業にとって、熟練の目利きは代えがたい価値です。
③ 若手職人・水産業経験者
→ 市場勤務や飲食出身者など、魚に関わる若手が独立型M&Aとして承継。
既に取引先と仕入ルートがあるため、開業リスクを抑えてスタートできます。
職人の“手仕事文化”を引き継ぎたいという志を持つ層が増えています。
買い手が重視するポイント
鮮魚店のM&Aでは、設備や売上よりも
信頼と継続性が重視されます。
買い手企業は「地域内で安定している関係性」を最も高く評価します。
- 取引先:飲食店・旅館・ホテル・学校給食など法人取引の有無
- 仕入れルート:市場・漁港・問屋との取引実績と信用
- スタッフ技術:包丁技術・加工スピード・衛生管理体制
- 地域ブランド:「○○市場の○○さん」として知られる知名度
- 経営の安定性:売上の季節変動と固定顧客の割合
とくに京都では、「和食文化を支える技術」や「丁寧な対応」が買い手に高く評価されます。
“職人とお客様の信頼関係”をそのまま残せることが、承継の最大の価値です。
水平統合と垂直統合──買い手の狙いを理解する
水平統合では、同業の魚屋・卸がエリアを広げたり、加工・配送を効率化する目的で承継します。
既存従業員がそのまま働けることが多く、地域のブランドを維持しやすいのが特徴です。
一方で
垂直統合は、飲食・宿泊業などが「安定仕入れ」を狙うケース。
仕入先をグループ化し、食材コストや品質をコントロールする戦略です。
京都では、旅館グループや寿司チェーンがこの形を取ることが増えています。
自店の強みが「仕入」か「販売」かを整理すれば、どちらの買い手に合うかが見えてきます。
“売る”ではなく“つなぐ”という選択
鮮魚店のM&Aは、
技術と信頼の承継です。
「仕入れの目」「包丁の技」「お客様との会話」──それらは決して数字では測れません。
閉店を考える前に、「M&Aによる承継」という選択肢を考えてみてください。
経営が安定しているうちに検討し始めれば、納得できる相手を見つける可能性が高まります。
京都の食文化を支えてきた魚屋の知恵と技は、必ず次世代に必要とされています。
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