相談事例
2025年11月07日
後継者不在の京都の整酒屋店主が理解すべき、M&Aで想定される買い手候補

“地域の酒文化をつないでいく”──京都の酒屋が直面する後継者不在の現実
京都市近辺など、地域に根ざした酒販店の多くがいま、後継者不在という課題に直面しています。
「代々続いた店を自分の代で閉じたくない」「取引先との関係を絶やしたくない」──そんな思いを抱く店主が少なくありません。
一方で、近年では
M&A(事業の譲渡・承継)という新しい選択肢を取る酒販店が増えています。
「廃業」ではなく、「地域の酒文化を次世代へつなぐ」方法として、増え始めています。
【この記事でわかること】
・京都の酒販業でM&Aが増えている理由
・想定される買い手候補3タイプ
・“取引先と常連客”を守る承継の考え方
なぜ今、酒販店でM&Aが進んでいるのか
酒販業はかつて「地域の顔」として機能していましたが、少子高齢化と大手チェーンの進出により、個人店の経営環境は厳しさを増しています。
とはいえ、京都の地酒や老舗旅館・飲食店との取引など、
「地域密着のネットワーク」は依然として高い価値を持っています。
最近では、以下のような背景からM&Aの動きが目立ちます。
- 業務用酒販を引き継ぎたい飲食関連企業の増加
- EC・通販事業の拡大を狙う酒類ディストリビューター
- 地域ブランドを重視する若手経営者の参入
つまり、酒屋が有する
「信頼関係」や「信用」を承継する価値が注目されているのです。
想定される買い手候補3タイプ
① 同業の酒販店・ディストリビューター(水平統合)
→ 京都・大阪・滋賀など関西圏で卸売を展開する企業が、取引先ネットワーク拡大を目的に買収。
配送ルートや倉庫、人材をそのまま引き継ぐケースが多く、既存の法人顧客や飲食店との関係が維持されやすい。
「地域商圏を守りながら効率化する」タイプの承継です。
② 飲食チェーン・旅館・ホテル運営企業(垂直統合)
→ 自社グループの酒仕入れルートを安定化させるため、酒販業を内製化する動き。
京都では特に、料亭・旅館グループが地元酒販店を承継し、「地酒×観光」のブランドを強化するケースが見られます。
M&A後も屋号や看板を残す事例が多く、地域の顔として機能し続けます。
③ 若手起業家・地元の二代目層
→ 日本酒やワイン、クラフトビールへの関心が高まる中、“酒を売る”より“文化を伝える”という志を持つ若手が増加。
SNS発信やテイスティングイベントなど、新しい切り口で既存店舗を再生するパターンもあります。
買い手が評価するポイント
酒販業のM&Aでは、「売上規模」の他
仕入れ先や卸先とのネットワークと信用力が重要視されます。
とくに以下のような要素は買い手からの評価が高いです。
- 法人取引の安定性:旅館・飲食店・企業との継続契約の有無
- 地域ブランド:地酒・クラフト商品・限定銘柄などの仕入ルート
- 販売チャネル:業務用/店頭販売/ネット販売の比率
- スタッフ構成:配送担当・営業担当の経験年数
- 取引履歴の明確さ:販売先比率や売れ筋商品の把握
特に京都では、
「老舗飲食店との取引」や
「地酒メーカーとの信頼関係」が承継価値の中心になります。
買い手はその「関係資産」を引き継ぐことに価値を感じるのです。
水平統合と垂直統合──買い手の狙いを理解する
水平統合は、同業者によるエリア拡大・配送効率化を狙った承継。
既存取引先や社員をそのまま残すケースが多く、「暖簾を守りながら事業を続ける」ことが可能です。
一方で
垂直統合は、飲食・宿泊業などが仕入ルートを確保し、自社サービスを強化する目的で行います。
たとえば、ホテルが地元酒販店を引き継ぎ、「観光×地酒販売」という新たな体験価値を作るような動きです。
自店の強み(業務用・小売・観光向け)を整理しておくことで、どちらの買い手と相性が良いかを見極めやすくなります。
“売る”ではなく“つなぐ”という発想を
M&Aによる承継は、単なる経営の引き継ぎではなく、
地域に根ざした“酒文化”の継承です。
お客様との信頼、取引先との関係、そして「京都の味」を支えてきた誇りを次世代へ残す選択でもあります。
経営が安定しているうちに検討を始めることで、より理想的な買い手と出会える可能性が高まります。
廃業を考える前に、一度“承継”という道を考えてみてはいかがでしょうか。
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