

京都・奈良・浅草などでは、インバウンドの回復が進み、週末には外国人観光客で通りが埋まっています。
しかし一方で、小規模レンタル着物店の廃業が静かに増えています。
「観光客は戻ったのに利益が残らない」「スタッフが集まらない」「物価高で維持できない」──。
華やかな街並みの裏で、店舗を閉じる経営者の判断が相次いでいます。
本稿では、インバウンド再開の裏で進む構造変化を踏まえ、M&Aを含めた現実的な対策を整理します。
レンタル着物業は、観光繁忙期に多数のスタッフが必要です。
ところが、コロナ禍で離職した人材が戻らず、求人を出しても応募がほとんどないという声が多く聞かれます。
加えて、外国人観光客対応に必要な語学人材の不足も大きな課題です。
オペレーションを効率化できないまま、受付・着付け・返却などに長時間の待ちが発生し、結果的に顧客満足度が下がる悪循環が起きています。
円安で訪日客が増える一方、仕入・家賃・人件費は上昇しています。
ところが、観光地のレンタル料金相場は数年前からほぼ横ばい。
「1人5,000円前後で着付け・ヘアセット・写真まで込み」が標準化したことで、低価格競争が常態化しています。
一見にぎやかな通りでも、実際は利益率2〜3%という店舗も少なくありません。
「客は戻ったが、利益は戻らない」──これが現場の本音です。
インスタグラムやTikTokでバズれば一気に予約が入る。
しかし、その投稿が沈むと売上も一気に落ち込む。
レンタル着物業界では、SNS依存型の集客モデルが限界を迎えつつあります。
広告費をかけても成果が安定せず、リピーターを作る仕組みが弱いままでは、繁忙期と閑散期の差が大きくなり、固定費を支えきれなくなります。
① 店舗とサービスの“再設計”
立地と坪数、客層に合わせて業態を明確化し、収益構造を再構築します。
例)体験型(写真・ロケ同行)/回転型(短時間・回転重視)/高付加価値型(ホテル出張・和装婚前撮り・ナイト撮影)など。
繁忙期集中や時間帯特化、ホテル出張・撮影同行の外販化で「小さくても強いモデル」へ。
② 集客と顧客接点の多様化
SNSに偏らず、ホテル・旅行会社・地域施設との連携を強化。
体験予約サイト・多言語プラットフォーム掲載、口コミ誘導(来店後QRでレビュー)を仕組み化し、顧客導線を分散。
“来るのを待つ”から“見つけてもらう・送客してもらう”へ。
③ M&A・業務提携による持続化
一店舗では難しくても、複数店舗の統合・提携で道が開けます。
人材・在庫・撮影機材・予約システムを共有し、固定費と稼働率の平準化を図る。
M&Aは「手放す」ではなく、残すための共同戦略です。
レンタル着物のM&Aは、文化とノウハウを次世代に残す手段です。
買い手は観光・ホテル・体験事業など、京都の文化資産を大切にする事業者が中心。
承継により「事業も従業員もお客様も守れる」ケースは少なくありません。
売却ではなく、継承・提携の準備を始めることが、未来につながる一歩です。
京都の着物文化は、単なるレンタルではなく、街の景観や観光体験を支えるインフラの一部です。
一軒一軒が消えることは、観光都市としての魅力低下にも直結します。
続けられないから終わり──ではなく、どう引き継ぎ、残していくか。
経営者の判断が、地域文化の未来を左右します。
事業承継で悩みを抱える経営者様へ。京都所在のつなぐパートナーズでは、中小企業診断士である代表が、秘密厳守、相談無料、完全成功報酬でご支援します。
貴社に合った“出口戦略”を一緒に考えましょう。
無料相談はこちらから →
https://tsunagupartners.com/contact.php
後継者不在のレンタル着物店がM&Aにむけて準備すべきポイント https://tsunagupartners.com/blog_detail.php?id=59