
京都府内で食品製造業(和菓子、京菓子、惣菜、加工食品等)を営む経営者様にとって、後継者不在による出口戦略は、代々受け継いだ「味」と「暖簾(のれん)」を守るための重要な決断です。
長年築いた「販路・取引先との信頼」や「製造ノウハウ(レシピ)」を正当な対価として受け取る「小規模M&A」の最新相場と査定ロジックを解説します。
【スマホで30秒:この記事の結論】
食品製造業のM&A査定では、所有する不動産や機械設備などの「目に見える資産」に加え、ブランド力という「目に見えない資産(営業権)」をどう評価するかが鍵となります。
(時価純資産) + (修正EBITDA × 2〜4年)
オーブン、ミキサー、包装機、急速冷凍機などの機械設備は、法定耐用年数を過ぎていても、メンテナンスが行き届き正常に稼働していれば価値として認められます。私が査定を行う際は、機械の汎用性と「衛生管理水準」を注視します。特にHACCP(ハサップ)に沿った衛生管理がどの程度構築されているかは、買い手の初期投資コストに直結するため、価格交渉の重要な材料になります。
同族経営の場合、親族への給与や私的経費が利益を圧迫しているケースが多々あります。これらを利益に足し戻し、さらに「原材料の共同購買」や「物流網の統合」によって買い手側で実現できるコスト削減分を利益として再評価します。この修正作業により、決算書上の営業利益を大きく上回る「真の収益力」を算出します。
京都という立地を活かした食品製造業において、買い手が最も高く評価するポイントを整理します。
食品を扱う以上、安全・衛生に関するリスクは、譲渡価格から直接減額される、あるいは破談を招く致命傷となります。
● 時価純資産:3,000万円
(工場建物・機械時価、現預金、原材料在庫)
● 修正後の実質利益(EBITDA):1,200万円
(親族給与調整、原材料費削減シナジー加味)
● 評価倍率:3.0倍
(有力な百貨店販路と高いブランド認知度を評価)
● 営業権評価:3,600万円
譲渡想定価格:6,600万円
廃業を選んだ場合、高価な食品機械は中古市場では二束三文となり、さらに工場の原状回復費や従業員の解雇トラブルで、手元にほとんど現金が残らないケースが見受けられます。M&Aは、これまで守り抜いてきた「味」と「ブランド」を次代へ繋ぎ、経営者様が正当なリタイア資金を得るための、唯一の合理的な選択です。
食品製造業のM&Aを成功させるためには、買い手にとっての「使い勝手」を良くしておく必要があります。
ブランド力や製造ノウハウをロジカルに数値化し、貴社の「本当の価値」を引き出します。廃業を決める前に、まずは現在の市場価値を確認してください。
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