64歳。定員25名のデイサービスを、京都で15年運営してきた。近くに大手の新しい事業所ができてから稼働率は少しずつ下がり、送迎ドライバーの確保も年々苦しくなった。報酬改定のたびに収支は薄くなる。子どもは継がない。「利用者さんが来てくれるうちは」と踏ん張ってきたけれど、この先も続けられるのか——。
デイサービス(通所介護)は、介護サービスのなかでも競争が激しく、休廃業を選ぶ事業者が多い業種のひとつです。しかし、閉めるだけが出口ではありません。指定・利用者基盤・職員体制を一体で引き継げるデイサービスには、買い手がいます。
ご相談は秘密厳守です。相談したことが職員や利用者さん、ケアマネジャーに伝わることはありません。売ると決めていない段階のご相談が、実際にはいちばん多いです。
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※このページは高齢者向けデイサービス(通所介護)の売却について解説しています。障害のあるお子さん向けの放課後等デイサービスをお探しの方は、放課後等デイサービスの売却・M&A・事業承継をご覧ください。
うちのような小さなデイサービスでも、売却の対象になるのか
「定員18名の地域密着型。うちみたいな小さい所を買う会社なんてあるのか」——最初のご相談で、多くの方がこうおっしゃいます。
結論から言うと、規模の小ささは決定的な問題ではありません。買い手が見ているのは定員の大きさではなく、稼働率・登録利用者数・職員体制・立地です。地域密着型通所介護(定員18名以下)でも、利用者さんが安定して通い、生活相談員や機能訓練指導員が在籍していれば、買い手がつくケースは十分にあります。むしろ地域に根づいた小規模事業所を承継の起点にして、エリア展開を進める介護事業者は少なくありません。
売却で守れるもの——お金だけの話ではありません
- 経営者個人の保証・借入からの解放:開設時の改装費や送迎車両の借入に個人保証を入れている場合、株式譲渡では買い手側への保証の付け替え・解除を交渉するのが一般的です。廃業して返済しきれなければ保証は個人に残りますが、譲渡なら「保証を外して引退する」道が開けます。
- 利用者さんの通いの場:デイサービスは、利用者さんにとって生活リズムと社会とのつながりそのものです。廃業すれば通い先を失いますが、譲渡なら顔なじみの職員・慣れた場所・送迎がそのまま守られます。
- 職員の雇用:生活相談員・機能訓練指導員・介護職員・送迎ドライバーの雇用は、譲渡なら引き継がれるのが基本です。
- 譲渡対価:指定・利用者基盤・設備の価値が評価され、引退後の資金として対価を受け取れます。
売却を考える典型的なきっかけ
稼働率の低下・大手との競争
近隣に大手やフランチャイズの事業所が増え、登録者が少しずつ流れていく——通所介護で最も多いご相談の入り口です。稼働率が下がりきる前なら、まだ評価は守れます。逆に、定員の半分を切るような状態が続いてからでは、選択肢は狭まります。
報酬改定と収支の悪化
基本報酬の見直しや加算要件の変更のたびに、小規模事業所ほど対応の負担が重くなります。「制度に合わせ続ける体力がない」という理由での譲渡は、決して珍しくありません。
送迎体制の維持難・人材不足
デイサービスの運営は送迎で始まり送迎で終わります。ドライバーの高齢化や採用難で送迎が回らなくなると、サービスの提供そのものが揺らぎます。介護職員・看護職員の確保も含め、人が揃っているうちに動くかどうかで、事業の評価は大きく変わります。
経営者の年齢・後継者不在
現場に立ち続けてきた経営者ほど、自分の体力の限界が事業の限界に直結します。親族にも職員にも引き継ぐ相手がいない場合、第三者への譲渡が現実的な選択肢になります。
売却価格の相場——デイサービスはこう評価される
小規模なデイサービスのM&Aでは、売却価格は「時価純資産+のれん(営業利益の2〜3年分)」で算定するのが一般的です。定員や売上の大きさだけで決まるわけではなく、収益性と、通所介護ならではの運営基盤で金額が変わります。
時価純資産の考え方
- 内装・機能訓練設備:改装費をかけた浴室設備・機能訓練機器などは時価評価で加算します
- 送迎車両:保有台数と年式を中古価値で評価します
- 敷金・保証金:賃貸物件の敷金は回収可能性を精査します
- 退職給付引当金・未払残業代:簿外債務として控除されるケースがあります
のれんを左右する4つの要素
- 稼働率と登録利用者数:平均利用率が高く、登録者が安定している事業所は収益の見通しが立てやすく、高く評価されます
- 人員体制の継続:生活相談員・機能訓練指導員・看護職員が譲渡後も働いてくれる見通しがあるか
- 送迎体制:車両・ドライバー・確立された送迎ルートは、新規参入者がすぐには作れない運営資産です
- サービスの特色:リハビリ特化・入浴対応・認知症対応など、地域で選ばれている理由が明確な事業所は評価が上がります
参考例
営業利益300万円・時価純資産800万円のデイサービスなら、株価の目安は「800万円 + 300万円 × 2〜3年 = 1,400万〜1,700万円」程度です。実際の価格は買い手との交渉で決まるためあくまで目安ですが、廃業すれば原状回復や車両・設備の処分で持ち出しになるところが、譲渡なら受け取る側に回ります。決算書3期分を拝見できれば、おおよその価格帯をお伝えできます。
買い手はどこにいるか
①多機能展開を進める介護事業者
訪問介護・居宅介護支援などを運営し、通所を加えて地域包括的にサービスを揃えたい法人です。既存の指定・利用者基盤・送迎体制が揃った状態で取得できる承継は、新規開設より大幅に時間とコストを節約できます。
②エリア拡大を目指すデイサービス運営法人
複数拠点化でスケールメリットを出したい法人が、地域に根づいた事業所を取得するケースです。既存の利用者・ケアマネジャーとの関係が引き継ぎの魅力になります。
③リハビリ・機能訓練特化型の法人
リハ特化型デイを展開する法人が、立地と指定を求めて既存事業所を取得し、サービスを転換するケースもあります。
「指定」はどうなるか——株式譲渡と事業譲渡
株式譲渡の場合:指定を持つ法人ごと引き継ぐため、通所介護の指定はそのまま存続します。利用者さんとの契約も変わらず、現場への影響が最も小さい方法です。小規模M&Aではこの形が中心になります。
事業譲渡の場合:買い手が新たに指定申請を行います。定員18名以下の地域密着型通所介護は市町村指定のため、自治体との調整が伴いますが、既存の実績・職員・設備が揃っていれば手続きは進めやすくなります。
いずれもご相談から引き渡しまで6ヶ月〜1年程度を見てください。「まだ決めていない」段階から動き始めることで、納得のいく条件を選べる余裕が生まれます。
京都のデイサービス市場
京都府は高齢化の進行を背景に通所介護の需要が続く一方、事業所数も多く、地域によっては競争が激しくなっています。だからこそ、稼働率と地域の信頼を保っている事業所には価値があります。京都市内はもちろん、宇治・亀岡・南丹など周辺地域でも、多機能展開を進める介護事業者やエリア拡大を図る法人が買い手候補として見込めます。送迎エリアが確立している事業所は、府内の買い手から特に評価されやすい傾向があります。
よくある質問
Q. 赤字が続いています。それでも売れますか?
可能性はあります。のれんの評価は下がりますが、指定・立地・職員体制・送迎基盤そのものに価値を見出す買い手はいます。廃業コストと比較すれば、譲渡のほうが手元に残るケースも少なくありません。
Q. 利用者さんやケアマネジャーに知られずに進められますか?
進められます。基本合意までは秘密保持契約のもとで水面下で進行し、利用者さん・ケアマネジャーへの告知は最終契約の前後に、買い手と足並みを揃えて丁寧に行います。通いの継続・送迎の継続を条件に交渉しますので、利用者さんの日常は守られます。
Q. 相談したら、売らないといけませんか?
いいえ。ご相談いただいた方の中には、検討の結果「もう少し続ける」と決めた方もいます。廃業・継続・譲渡——選択肢を並べて納得して決めるための入口として、ご利用ください。
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まずはご相談ください
デイサービス・通所介護の売却・事業承継について、秘密厳守で相談をお受けしています。まだ売却を決めていない段階でも構いません。
「集客力のある会社に出会えれば、事業を続けられるのでは」——そういった入口でも、お話をお聞きします。一人で抱えているより、一度ご相談いただく方が、気持ちが楽になることがあります。
ご相談は代表の吾郷が直接お受けします。
監修:中小企業診断士・事業承継士 吾郷 泰佑
京都府を中心に、小規模M&A・事業承継のご相談に1,000件以上向き合ってきました。完全成功報酬で、ご相談から成約まで代表が直接伴走します。
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