京都で15年、20年とデイサービスを続けてきた。後継者がいない。スタッフも長年一緒にやってきた方ばかり。ご利用者の顔を思うと、廃業の紙一枚で終わらせるのはしのびない——。
「毎日来てくれるご利用者の顔を思うと、廃業の紙一枚で終わらせるのがしのびない」と話してくれたデイサービスの経営者がいました。スタッフも長年一緒にやってきた方ばかりで、簡単には決められない状況でした。
M&Aで地域の介護法人に引き継ぎ、ご利用者の通所は継続、スタッフの雇用も維持されました。経営者本人は、引き継ぎ後も一定期間サポートとして関わることができました。
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デイサービスのM&Aが増えている背景
通所介護(デイサービス)は、介護保険サービスの中でも利用者数が多い事業です。経営者の高齢化と後継者不足が深刻な一方、介護事業を拡大したい法人や異業種からの参入組が、既存事業所の取得を求めています。
京都では高齢化が進む地域を中心に、デイサービスへの需要が安定しています。稼働率が高く、ご利用者との関係が築けている事業所は、M&Aで引き継ぎ先が見つかりやすいです。
「集客力のある会社」と出会えれば事業は続けられる
デイサービス経営者から「自分一人では集客力に限界がある。事業を存続するには、集客力のある会社様に引き継いでほしい」というご相談を多くいただきます。これは決して特別な悩みではなく、地域密着で運営してきた小規模デイサービスに共通する課題です。
集客力のある買い手——複数拠点を持つ介護法人、医療系グループ、介護FCチェーン——とのマッチングが実現すれば、ご利用者は通い続けられ、スタッフも雇用が継続し、地域の介護インフラも守られます。「事業を存続させたい」という願いは、廃業ではなくM&Aで実現できます。
売却の対象になるか
- 介護保険の通所介護事業の指定を受けており、稼働中である
- 登録利用者が一定数いる(定員に対して稼働率が高い)
- 介護職員・機能訓練指導員・生活相談員・看護職員が在籍している
- 送迎車両を保有している
- 地域のケアマネジャー・地域包括支援センターとの関係がある
赤字であっても、立地・利用者数・スタッフ構成によっては買い手がつくケースがあります。介護報酬という安定した収入源がある業態のため、財務状況より「指定」「利用者基盤」「スタッフ体制」が評価の核になります。まずはご相談ください。デイサービスを廃業する前に|M&Aという選択肢と廃業コストの比較もあわせてご覧ください。
デイサービス特有の評価ポイント
介護報酬による安定収益
デイサービスの収益は介護報酬を主軸とするため、利用者数と要介護度がわかれば月次の売上見通しが立てやすい業態です。一般の小売・飲食事業のように景気変動を受けにくく、買い手にとって「収益予測が立つ」事業として評価されます。各種加算(入浴介助加算・個別機能訓練加算・科学的介護推進体制加算など)を適切に算定できているかも、収益力の評価に直結します。
スタッフ(介護士・管理者・生活相談員)の引き継ぎ
デイサービスの運営は、人員配置基準を満たすスタッフがそろっていてこそ成り立ちます。買い手が最も気にするのは「主要スタッフが引き継ぎ後も継続勤務してくれるか」です。管理者・生活相談員・機能訓練指導員・看護職員・介護職員——それぞれの役割を担うスタッフの定着が、引き継ぎ後の運営継続性を左右します。
引き継ぎ前にスタッフへ告知するタイミングは、基本合意後・最終契約前の段階が一般的です。先に管理者クラスへ伝え、雇用継続の意向を確認した上で、その他のスタッフに告知します。雇用条件(給与・処遇改善加算の還元・勤務シフト)の維持は、引き継ぎ条件として明確に交渉します。
送迎車両・機能訓練室・入浴設備の評価
デイサービスは設備投資が必要な業態です。送迎車両(福祉車両・リフト付き車両)、機能訓練室、入浴設備(特殊浴槽・リフト浴槽)は、買い手にとって新規取得すれば多額の投資が必要な資産です。稼働中の状態で引き継げるM&Aは、新規開設より大幅にコストを抑えられます。
- 送迎車両:稼働中の福祉車両は中古市場価値で評価。リース契約は名義変更が必要
- 機能訓練室・機器:マシン・パワーリハ機器は資産として評価
- 入浴設備:特殊浴槽・リフト浴槽は新規取得すると数百万円の投資が必要なため高評価
- 建物:自己所有なら含み益を加算、賃貸なら家主との契約引き継ぎが必要
利用者・ご家族への告知タイミング
デイサービスのM&Aで最もデリケートなのが、ご利用者とご家族への告知です。ご利用者にとってデイサービスは生活の一部であり、運営者が変わることへの不安は大きい要素です。基本合意後・最終契約前の段階で、買い手側と協議の上、丁寧な説明会または個別案内を行うのが一般的です。
「ご利用者は今まで通り通える」「スタッフも継続勤務する」「サービス内容は変わらない」という3点を明確に伝えることで、ご利用者の不安を和らげられます。引き継ぎ先を選定する段階で、この3点を契約条件として組み込めるかが交渉のポイントです。
通所介護事業所指定の承継手続き
介護保険の指定(通所介護事業所指定)は法人に対するものです。M&Aの方式によって、指定の取り扱いが大きく異なります。
株式譲渡の場合:法人格ごと引き継がれるため、指定はそのまま存続します。手続きとしては行政(京都市・京都府・関係市町村)への変更届出(代表者変更・役員変更等)が必要です。比較的スムーズに承継できる方式です。
事業譲渡の場合:買い手が新たに通所介護事業所指定を取得する必要があります。新規指定申請には事前協議・申請から指定まで2〜3ヶ月かかります。定員数・設備基準・人員基準の継続性を確認しながら、指定取得スケジュールに合わせて引き継ぎを進めます。
京都市内・京都府内では行政指導・実地指導の指摘事項がないことが評価のプラス要素です。過去の指導内容と是正状況は、デューデリジェンスでも必ず確認されます。
廃業とM&A、何が違うか
| 廃業 | M&A | |
|---|---|---|
| 利用者への影響 | 転所先を探す必要あり | 継続して利用できる |
| 売却対価 | なし | あり |
| 職員の雇用 | 全員解雇 | 継続雇用 |
| 介護保険の指定 | 廃止 | 引き継ぎ可能 |
| 送迎車両・設備 | 処分費用が発生 | 資産として評価される |
| 個人保証 | 返済完了まで継続 | 成立時に解除されるケースが多い |
デイサービスの価格算定の考え方
小規模なデイサービスのM&Aでは、売却価格は「時価純資産+のれん(営業利益の2〜3年分)」で算定されることがほとんどです。定員や売上規模だけで相場が決まるわけではなく、各事業所の財産状況と収益性、そしてデイサービス特有の指定・稼働率・職員体制の状況で金額が大きく変わります。
時価純資産の考え方
貸借対照表の純資産を、時価ベースで評価し直した金額です。デイサービスでは以下の項目が重要になります。
- 送迎車両の時価評価:稼働中の送迎車両・福祉車両は中古市場での価値で評価します
- 介護機器・入浴設備:リフト・特殊浴槽・機能訓練機器などは資産として評価されます
- 建物の状態:自己所有の場合は含み益を加算、賃貸の場合は敷金・原状回復義務を確認します
- 退職給付引当金・未払残業代:簿外債務として控除されるケースがあります
のれん(年倍法)の考え方
事業を続けることで生まれる将来の収益価値です。直近の営業利益の2〜3倍を目安に算定することが多く、デイサービスの場合は以下の要素で倍率が変動します。
- 介護保険の通所介護事業の指定を保有していること(新規取得より既存の取得が確実)
- 定員充足率が高く、利用者の稼働が安定していること
- 生活相談員・機能訓練指導員・看護職員・介護職員の配置基準を満たしていること
- 各種加算(入浴介助加算・個別機能訓練加算など)を取得していること
- ケアマネジャー・地域包括支援センターとの関係が良好であること
- 行政指導・実地指導での指摘事項がないこと
参考例
営業利益800万円・時価純資産2,500万円の定員20名程度のデイサービスの場合、株価の目安は「2,500万円 + 800万円 × 2〜3年 = 4,100万〜4,900万円」程度になります。ただし実際の価格は立地・稼働率・加算体制・複数拠点展開の有無によって大きく変動するため、あくまで目安として参考にしてください。
集客力のある買い手候補
「集客力のある会社に引き継いでほしい」というご相談に対して、デイサービスの買い手候補は実は多様にいます。以下のような買い手と出会うことで、地域に根ざした事業を、より大きな経営基盤の中で続けていけます。
①地域内で複数拠点を展開する介護法人
京都市内・京都府内ですでに複数のデイサービスを運営している介護法人が、エリア拡大・事業拡大のために買い手になるケースが最も多いパターンです。本部の集客ノウハウ・運営ノウハウ・採用ルートを活かして、買収後の運営をスムーズに引き継ぎます。地域包括ケアシステムへの貢献意識が高く、利用者・スタッフを大切にする運営方針の法人が多い傾向にあります。
②医療法人・社会福祉法人
地域の医療機関・社会福祉法人が、在宅介護分野への参入・サービス充実のために買い手になるケースです。クリニックや病院との連携、訪問介護・訪問看護とのセット運営など、複合サービスへの発展が見込まれます。医療連携が必要な要介護度の高い利用者層にとっては、引き継ぎ後のサービスの質が向上することもあります。
③介護FCチェーン・全国展開グループ
全国展開の介護FCチェーンが、新規エリア開拓・既存拠点強化のために買い手になるケースです。本部の集客システム・運営マニュアル・教育研修体制を活用できるため、職員のスキルアップや事業効率化が期待できます。チェーンの規模感と、地域密着の運営方針のバランスをどう取るかが交渉のポイントです。
④異業種からの参入
不動産業・運送業・人材業など、介護周辺事業からの参入もあります。介護分野の経験はなくても、本業のリソース(不動産・車両・人材)と組み合わせることで、シナジーが生まれるケースです。買い手としては数は少ないものの、評価額が高くなりやすい層です。
京都・関西圏のデイサービスM&A市場
京都市内、特に高齢化率の高い洛西・洛北・洛中の地域では、デイサービスへの需要が安定しています。一方で、新規開設のための土地・物件確保が難しく、人材確保も厳しい状況が続いています。既存のデイサービスをM&Aで取得することは、新規開設より圧倒的に効率的な選択肢として、買い手から認識されています。
京都府下では、宇治市・長岡京市・亀岡市・舞鶴市などの中核都市で、地域密着型のデイサービスのM&Aニーズが高まっています。関西圏(大阪・滋賀・兵庫・奈良)からの買い手も増えており、京都の事業所が他府県の介護法人に引き継がれるケースも増加傾向です。
地域包括ケアシステムの中で、デイサービスは「住み慣れた地域で暮らし続ける」ための要となる事業です。地域密着で運営してきた事業所の価値は、M&A市場でも高く評価されています。
M&Aで守れるもの
デイサービスのM&Aで最も重視されるのは「ご利用者への影響」と「スタッフの雇用」です。長年通ってくれているご利用者の方にとって、デイサービスは生活の一部です。引き継ぎ先の選定段階で、継続利用を最優先条件として交渉できます。
個人保証の解除もM&A成立時に実現できるケースが多く、事業運営のための借入保証から解放されることで、安心して次のステップに進めます。
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まずはご相談ください
デイサービス・通所介護の売却・事業承継について、秘密厳守で相談をお受けしています。まだ売却を決めていない段階でも構いません。
「集客力のある会社に出会えれば、事業を続けられるのでは」——そういった入口でも、お話をお聞きします。一人で抱えているより、一度ご相談いただく方が、気持ちが楽になることがあります。
ご相談は代表の吾郷が直接お受けします。


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