

京都市の住宅街で長年愛されてきた個人経営の精肉店。
地元の学校給食や飲食店にも卸してきた老舗でしたが、店主の男性は60代後半を迎え、次第に「もう体力がもたない」と感じるようになりました。
息子は別業界に就職し、従業員も高齢化。「いずれは閉めるしかないのか」と、胸の奥で不安を抱えていました。
近隣でも同世代の店主が相次いで廃業していく光景を見て、「このまま終わるのか」と焦りが募ります。
ただ、廃業には想像以上の負担がありました。店舗の解体費、冷蔵庫やショーケースの撤去費、仕入れ先への清算など、見積もりを取ると数百万円単位。
黒字を出していても、最後に残るのは“解体費”という現実──。
それでも「誰かに継いでほしい」と思える相手はなかなか見つかりませんでした。
そんな折、取引先の食品卸会社から「いま、精肉店のM&Aが増えている」と聞きました。
最初は半信半疑でしたが、「地域ブランド肉の販路を拡大したい」という買い手がいると聞き、相談してみることにしました。
相談を重ねた結果、京都市近郊で複数のスーパーを運営する企業が譲受候補に。
彼らは「地元肉の取り扱いを増やしたい」「職人技を残したい」と考えており、まさに理想的な相手でした。
交渉は約3か月。譲渡価格は決して大きくなかったものの、条件にはこだわりました。
譲渡後、買い手は店舗をリニューアルしながらも「昔ながらの味」を守りました。
常連客は「名前が残ってうれしい」「若いスタッフが入って活気が出た」と好評。
元店主は顧問として月に数日だけ店に顔を出し、若い職人にアドバイスを送るようになりました。
「事業を譲ったのではなく、“託した”という感覚です」と話します。
精肉店のように固定客が多い事業は、引き継ぎさえできれば安定した売上を維持できます。
それでも、準備が遅れると買い手がつきにくくなります。
実際に、次のような点でつまずくケースが多いのです。
これらは専門家と一緒に整理すれば十分に改善できます。
とくに「地元仕入れネットワーク」「職人技」「地域密着の信用」は、M&Aの場では“数字に出ない資産”として高く評価されます。
買い手企業が本当に求めているのは、設備ではなく「信頼と人の力」なのです。
この精肉店のケースでは、譲渡から1年後も店の看板がそのまま残り、売上も以前より伸びています。
「まさか自分の店が次世代の手で続くとは」と語る店主。
引退後は地域イベントで精肉の講師を務め、第二の人生を楽しんでいます。
精肉業は地域の食文化を支える仕事。
廃業を選べばすべてが消えてしまいますが、M&Aなら“のれん”も人も残せる。
それは経営者にとっても、地域にとっても大きな意味があります。
「うちのような小さな店でも売れるのだろうか」「他人に話すのは気が引ける」──そんな方こそ、早めの相談がおすすめです。
M&Aは廃業の延長ではなく、未来をつなぐ選択肢。
現状を整理するだけでも、次の一歩が見えてきます。
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