「どこに相談すればいいのか、よくわからなくて。」
M&Aを考え始めた経営者から、よく聞く言葉だ。M&A仲介会社、銀行、税理士、司法書士、中小企業診断士…相談先の候補はいくつもあって、どこが自分に合うのかがわからない。
この記事では、中小企業診断士に相談することと、大手M&A仲介会社に相談することの違いを、できるだけ正直に書いてみたい。
大手M&A仲介会社が向いているケース
大手仲介会社には、大手にしかできないことがある。
全国規模の買い手ネットワーク、豊富な成約実績、業種・エリアをまたいだマッチング力。売上規模が大きく、買い手候補を広く探したい案件では、大手の方が力を発揮する場面が多い。
「できるだけ多くの候補に当たりたい」「全国的な規模の会社との交渉経験がほしい」という場合は、大手に相談するのが合理的だと思う。
中小企業診断士(当社)が向いているケース
一方で、小規模・地域密着の案件は、専門家の方が動きやすい場面がある。
理由のひとつは、担当者が変わらないことだ。最初の相談から契約締結まで、私が一貫して担当する。経営者にとって、誰に話しているかが毎回変わらないことは、思いのほか重要だと感じている。
もうひとつは、M&A以外の視点を持って動けることだ。中小企業診断士として、財務だけでなく事業・人・顧客の価値を説明できる。また、認定経営革新等支援機関・M&A支援機関として、補助金申請も一体で対応できる。M&Aの手数料を補助金で賄えるケースがある。
完全成功報酬で動いているため、成約しなければ費用は発生しない。「相談だけして終わった」という場合も、請求はない。
相談先は6種類ある。それぞれ何をしてくれるか
「誰に頼めばいいか」で迷う理由は、相談先の種類そのものが分かりにくいからです。中小企業のM&Aで相談先になるのは、おおよそ次の6つです。
| 相談先 | 立場 | 得意なこと | 費用の形 | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| M&A仲介会社 | 売り手と買い手の間に立つ | 買い手候補の数、全国のマッチング | 着手金+成功報酬が多い。最低報酬2,000万円前後の会社もある | 両方から報酬を受けるため、価格交渉で売り手だけの味方にはなれない |
| FA(フィナンシャル・アドバイザー) | 売り手か買い手の片方に付く | 条件交渉、契約の詰め | 成功報酬中心 | 片側だけなので相手探しは別途必要なことがある |
| 中小企業診断士 | 売り手側の助言者 | 事業の価値を言葉にする、補助金との組み合わせ | 事務所による(当社は完全成功報酬) | 買い手ネットワークの広さは事務所次第 |
| 顧問税理士 | 売り手の顧問 | 税金の設計、株価の税務評価 | 顧問料の範囲か別途 | M&Aの経験がない事務所も多い。買い手探しはしない |
| 取引銀行 | 債権者でもある | 融資先の紹介、経営者保証の扱い | 紹介手数料の形が多い | 銀行の都合(融資の回収)が優先されることがある |
| 事業承継・引継ぎ支援センター | 公的機関(京都府にも設置されている) | 無料の一次相談、登録機関の紹介 | 無料 | 実行は民間の登録機関に引き継がれる |
大事なのは、どれが上か下かではなく、「誰の味方として動くか」と「お金がどこから出るか」を最初に確認することです。仲介会社は売り手と買い手の両方から報酬を受け取ります。これは違法ではありませんが、価格を上げたい売り手と下げたい買い手の間で、どちらか一方に肩入れできない構造だという意味です。
2026年に変わりつつあること
ここ2年で、中小M&Aの相談先をめぐるルールは大きく動きました。
- 中小企業庁の「中小M&Aガイドライン」が2024年8月に第3版に改訂され、買収後に経営を放棄するような不適切な買い手への対応、経営者保証の扱い、仲介会社の過大な広告への注意が盛り込まれました。
- M&A支援機関登録制度には2026年3月時点で約3,400の機関が登録しています。登録機関でなければ国の補助金の対象になりません。トラブルを受け付ける情報提供窓口も設けられています。
- 中小企業庁は、M&Aアドバイザーの資格制度を2026年度にも創設する方針です。これまで誰でも名乗れた仕事に、資格の線が引かれます。
- 2026年10月受付の事業承継・M&A補助金(16次)では、FAや仲介業者の代表者が自分で申請する場合、自社や関連会社を委託先にできないルールが明文化されました。相談先と申請者の利害が重なる形が、制度側からも整理され始めています。
京都では、府の事業承継・引継ぎ支援センターで無料の一次相談を受け、そのあと民間の登録機関につながる流れが多く、京都市内の金融機関もこの経路を案内しています。相談先を選ぶときは、「登録支援機関か」「ガイドラインを遵守すると公表しているか」の2点を聞いてください。答えられない相談先は、この時点で外して構いません。
費用で見分ける。着手金と最低報酬
手数料の仕組みは大きく2つです。着手金や中間金を取る形と、成約したときだけ受け取る完全成功報酬の形です。成功報酬の計算は「レーマン方式」と呼ばれる料率表が一般的で、成約価額5億円以下の部分に5%、といった段階で決まります。
小さな会社で問題になるのは、料率ではなく最低報酬です。最低報酬が2,000万円の仲介会社に、3,000万円で売れる会社を持ち込んでも、手残りがほとんど残りません。売上1億円以下の会社は、最低報酬がいくらかを最初に聞くべきです。当社は完全成功報酬で、成約価額の5%、最低報酬は200万円です。着手金と中間金はありません。仕組みの詳しい説明は完全成功報酬とはどういう意味かに書いています。
こういう相談先は避けたほうがいい
- 相談の初回で「今なら高く売れる」と金額を言い切る。決算書を見ずに価格は出せません。
- 着手金を払うまで買い手候補の情報を一切出さない。
- 担当者が半年で変わる。引き継ぎのたびに、会社の事情を最初から話すことになります。
- 経営者保証の解除について「買い手に任せる」としか言わない。保証の切り替えは契約書に書く事項です。
どちらが正解かは、案件による
正直に言うと、どちらが優れているという話ではない。案件の規模・性質・経営者が何を重視するかによって、向き不向きがある。
「最後まで同じ人に担当してほしい」「地域の実情をわかった人と進めたい」「補助金も一緒に考えたい」という場合は、当社に相談してみてほしい。
「まず話を聞いてみたい」という段階でも構いません。秘密厳守・相談無料で対応します。
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まずはご相談ください
「売ると決めたわけではない」という段階でも構いません。
会社がいくらになるのか、廃業と売却どちらが得なのか。そういった入口でも、お話をお聞きします。
一人で抱えているより、一度ご相談いただく方が、気持ちが楽になることがあります。
ご相談を、代表の吾郷が直接お受けします。
監修:中小企業診断士・事業承継士 吾郷 泰佑
京都府を中心に、小規模M&A・事業承継のご相談に1,000件以上向き合ってきました。完全成功報酬で、ご相談から成約まで代表が直接伴走します。
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