歯科医院の廃業vs M&A|閉院費用と売却のどちらが得か徹底比較【京都】

歯科医院を何十年と続けてきたが、子どもは歯科医にならなかった。年齢的にも体力の限界を感じている。このまま閉院するしかないのか——そんな葛藤を抱える院長先生は少なくありません。しかし、歯科医院は「廃業」以外の選択肢が見つかりにくい業種の一つでもあります。一方で、近年は歯科医院のM&A・承継ニーズが急速に高まっています。このページでは、廃業とM&Aのどちらが院長先生ご自身と患者さん・スタッフにとって良い選択になるのか、冷静に比較するための情報をまとめました。


廃業とM&A、何が違うか

項目廃業M&A・承継
費用200万〜500万円の持ち出し持ち出しなし(売却益を得る)
スタッフの雇用全員解雇継続雇用
患者さんへの対応転院先を案内診療が継続する
設備・ユニット撤去費用発生そのまま引き継がれる
院長の収入なし(費用負担のみ)売却代金が入る

歯科医院の廃業にかかる費用の目安

歯科医院の廃業には、一般的な飲食店などの廃業よりも多額の費用がかかります。主な内訳は次の通りです。

  • 医療機器・ユニットの撤去・処分費用:50万〜150万円(X線機器・歯科ユニット・コンプレッサー等の産業廃棄物処理費含む)
  • 内装解体・原状回復費用:100万〜300万円(配管・給排水の撤去含む)
  • 廃院の各種手続き費用:保健所への廃止届、医療法人の解散登記、税理士・司法書士への報酬で20万〜50万円
  • スタッフの退職金・未払い給与精算:勤続年数により数十万〜数百万円
  • 取引先(材料業者・技工所等)への精算:数十万円
  • カルテの保管義務:診療終了後5年間の保管が義務付けられ、保管場所の確保が必要

合計すると、小規模な歯科医院でも200万〜500万円、医療法人化していたり複数ユニットのある大規模な医院だと1,000万円を超えるケースもあります。これらは全て院長先生の持ち出しとなります。


歯科医院がM&Aで評価される理由

①既存患者とカルテという無形資産

歯科医院の最大の資産は、長年築いてきた患者さんとの信頼関係、そして蓄積されたカルテ情報です。新規開業して患者を一から集めるには数年単位の時間と多額の広告費が必要です。既存患者を一体で引き継げるM&Aは、新規開業を目指す若手歯科医や、分院展開をしたい医療法人にとって大きな価値があります。

②立地・テナント契約の承継

歯科医院は立地が経営を左右します。駅前、商店街、住宅地など、長年の診療で定着した立地は貴重な資産です。居抜きの状態で開業できれば、買い手は内装・医療機器への初期投資を大幅に削減できます。テナント契約・駐車場契約も引き継げるため、買い手のリスクが下がります。

③スタッフ(歯科衛生士・歯科助手・受付)の継続雇用

歯科衛生士は全国的に不足しており、特に経験豊富な衛生士は買い手にとって貴重な人材です。熟練スタッフごと承継できるM&Aは、人材採用コストを削減できるうえ、患者さんからの信頼を維持できる効果もあります。

④保険診療実績・診療報酬請求のノウハウ

保険診療の実績、レセプト請求のノウハウ、自由診療メニュー、インプラント・矯正などの専門領域の症例は、そのまま買い手に引き継がれる無形資産です。地域の歯科医師会との関係、他科との連携体制も評価対象になります。


M&Aで想定される買い手

  • 独立開業を目指す勤務医:ゼロから開業するより、既存患者・スタッフを引き継げる方がリスクが低いため、若手歯科医からの需要が高い
  • 分院展開する医療法人:既存の医療法人が京都市内で診療圏を広げるため、既存の歯科医院を買収するケース
  • デンタルグループ・チェーン:全国展開するデンタルグループが地域拠点として買収
  • Uターン・Iターンの勤務医:都市部の勤務医が京都で開業を希望し、居抜き物件を探している

京都の歯科医院M&Aの動向

京都府内の歯科医院数は人口比で見ると全国平均より多く、競争環境は決して緩くありません。しかし一方で、院長先生の高齢化が進み、後継者不在による閉院リスクを抱える医院が年々増えています。

京都市内中心部(中京区・下京区・左京区)や、観光地周辺の歯科医院は立地評価が高く、買い手の関心を集めやすい傾向にあります。また、京都南部(伏見・山科・向日・長岡京)の住宅地の歯科医院も、ファミリー層の患者が多く安定した診療収入が見込めるため、Uターン開業を目指す歯科医からのニーズがあります。


いつ動けばいいか

歯科医院のM&Aは、一般的に交渉開始から承継完了まで6ヶ月〜1年程度かかります。廃業を考え始めた段階でM&Aの選択肢も並行して検討するのが賢明です。

注意すべきなのは、「もう限界」と体力・気力が尽きてから動き出すと、診療実績が落ちていたり、患者さんが減っていたりして評価額が下がってしまうことです。元気なうちに動き始めることが、結果的により良い条件での承継につながります。


廃業を選ぶ前に検討してほしいこと

「自分の歯科医院なんて、買い手が見つかるはずがない」と決めつけて廃業を選ぶ院長先生は少なくありません。しかし実際には、小規模な個人医院でも買い手が見つかるケースは多くあります。

また、診療を続けながらM&Aを進められるため、患者さんやスタッフに知られずに進行できます。相談だけなら費用はかかりません。廃業を決める前に、一度M&Aという選択肢の可能性だけでも確認してみる価値は十分にあります。


よくある質問

Q. 保険医療機関の指定は引き継げますか?

A. 保険医療機関の指定は個人に紐づくため、原則として新院長への引き継ぎには新規申請が必要です。ただし、切れ目なく診療を継続するための手続き方法があり、M&A実務のなかで段取りを組みます。

Q. 医療法人の歯科医院と個人経営の歯科医院、どちらがM&Aしやすいですか?

A. 医療法人は出資持分の譲渡というスキームが使えるため、手続きがシンプルになる面があります。個人経営の場合は事業譲渡というスキームになり、個別資産の承継手続きが必要です。どちらもM&A可能です。

Q. カルテは新院長に引き継げますか?

A. 患者さんへの同意取得など一定の手続きは必要ですが、診療継続を前提とする承継であれば基本的に引き継ぎ可能です。


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