学童保育の廃業vs M&A|施設処分費用と売却のどちらが得か【京都】

学童保育を長年にわたって運営してきた。地域の子どもたちに支えられ、保護者の方々からも頼りにされてきた。しかし、自分自身も年齢を重ね、体力の限界が近い。後継者もいない。

そんな京都の学童保育経営者の方に、読んでいただきたい記事です。

学童保育を廃業すると、共働き家庭は子どもの預け先を失い、放課後児童支援員さんの雇用も途絶えてしまいます。一方、M&Aなら、地域の受け皿を残したまま、ご自身は引退できます。

廃業を決める前に、一度だけ比較してみてください。


廃業とM&A、何が違うか

廃業M&A
利用家庭への影響預け先の再探しが必要そのまま通い続けられる
売却対価なしあり(施設・契約・ノウハウとして評価)
放課後児童支援員の雇用全員解雇継続雇用が前提
施設処分・原状回復50万〜150万円が必要不要(買い手がそのまま使用)
自治体委託契約辞退届を提出買い手に承継または再契約

学童保育の廃業にかかる費用の目安

  • 施設内備品の処分:机・椅子・おもちゃ・教材などで20万〜50万円
  • テナント原状回復:賃貸施設の場合、床・壁の復旧で20万〜60万円
  • 利用家庭への対応:返金・転所先紹介などの事務対応
  • 自治体への辞退届・報告:委託契約の終了手続きで数万円
  • 顧問税理士への報酬:清算手続きで20万〜50万円
  • 従業員(支援員)への退職金:規模・在籍年数により数百万円以上

合計の目安: 50万〜150万円

自治体の委託契約を受けている場合、契約期間の途中で解除すると、違約金の対象となるケースもあります。また、保護者との契約(保育料の前払い分の返金など)も、忘れずに整理する必要があります。


学童保育がM&Aで評価される理由

放課後児童支援員の資格と人材価値

放課後児童支援員はこども家庭庁(2023年4月に厚生労働省から移管)が定める認定資格で、一定の研修修了が必要です。

資格を持つ人の採用は容易ではありません。そのため、今働いている支援員さんを継続雇用で引き継げることは、買い手にとって大きな魅力になります。

人材不足の業界だからこそ、「人ごと承継できる」こと自体が、事業の価値を直接的に押し上げます。

自治体委託契約の安定性

放課後児童クラブの自治体委託契約は、公的な仕組みに支えられた安定収益源です。

新たに参入する事業者が委託を受けるには、実績や運営体制の審査を通過する必要があり、時間も労力もかかります。

既存の運営者を承継すれば、この委託契約を引き継げる(または再契約がスムーズな)ため、買い手にとって価値のある資産となります。

共働き家庭の需要の強さ

共働き世帯の増加により、学童保育の需要は全国的に拡大を続けています。

特に京都市内やその近郊の子育て世代が多いエリアでは、民間学童で待機が発生している地域もあります。そのため、「施設・スタッフ・契約がそろった既存事業」を取得したい新規参入者からの引き合いが続いています。

地域に根付いた保護者コミュニティ

学童保育は、保護者の方々との信頼関係で成り立つ事業です。

長年運営してきた事業者には、口コミや地域での評判といった目に見えない資産があります。新規立ち上げでは得られない「保護者の信頼」をそのまま引き継げるため、買い手は開所直後から安定した利用が見込めます。


M&Aで想定される買い手

  • 学童保育チェーン(民間学童を全国展開する事業者)
  • 保育園・幼稚園運営法人(放課後児童クラブへの事業拡大を進める法人)
  • 教育関連企業(学習塾・習い事教室の運営会社)
  • 子育て支援NPO・社会福祉法人

京都の学童保育M&Aの動向

京都は教育意識の高い都市であり、子育て世代の共働き率も高いエリアです。

京都市・宇治市・長岡京市など、子育て世代が多い地域では放課後児童クラブの利用需要が強く、公設公営のクラブだけでは受け皿が足りず、民間学童のニーズが高まっています。

自治体側も、地域の学童保育を途切れさせないために、既存事業者の承継を歓迎する傾向があります。廃業より承継を推奨する自治体も増えています。

買い手は、教育関連企業や保育事業者などの法人が中心です。京都府内の案件では、比較的スピーディーに成約に至るケースが見られます。


いつ動けばいいか

学童保育のM&Aは、自治体委託契約の更新タイミング、保育スタッフが離れる前、利用家庭が減る前が理想です。契約や人材、利用児童数は、そのまま評価額に直結します。

「来年度も委託契約は継続する見込み」「支援員さんも揃っている」。この状態のときこそ、最も良い条件で買い手が見つかるタイミングです。

相談は無料で、売ると決めていなくても構いません。


廃業を選ぶ前に検討してほしいこと

学童保育の廃業は、施設処分で50万〜150万円の費用がかかります。

しかしそれ以上に、毎日通ってくれていた子どもたちと保護者の方々に、「預け先を探してください」とお伝えしなければならない心理的負担が大きいものです。

共働き家庭にとって、学童の閉所は死活問題です。地域の子育て環境そのものにも影響します。さらに、放課後児童支援員さんの再就職支援や自治体への報告、行政手続きなど、事務負担も膨大です。

一方、M&Aであれば、子どもたちは通い続けられ、支援員さんの雇用も守られ、地域の受け皿が途切れません。ご自身は売却対価を受け取り、引退後の生活に充てられます。


よくある質問

Q. 自治体からの委託契約が中心です。M&Aで契約は引き継げますか?
A. 多くの場合、承継先との再契約、または委託先変更という形で引き継がれます。自治体によって手続きは異なりますが、地域の学童を維持したい自治体側も協力的なケースが大半です。事前に自治体と相談したうえで、M&Aを進めるのが一般的です。

Q. 小規模で、利用児童が30名程度です。それでも買い手は見つかりますか?
A. 見つかるケースは多くあります。規模の大小より、立地と自治体契約の有無が重視されます。教育関連事業者は「既存の利用家庭がいる施設」から展開を始めたい意向が強く、小規模でも候補先として十分です。

Q. 支援員さんに知られずに進められますか?
A. 進められます。基本合意までは秘密保持契約のもとで水面下で進め、支援員さんへの告知は最終契約の直前に行うのが一般的です。継続雇用を条件に交渉しますので、皆さんの仕事を守りながら話を進められます。


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監修:中小企業診断士・事業承継士 吾郷 泰佑
京都府を中心に、小規模M&A・事業承継のご相談に1,000件以上向き合ってきました。完全成功報酬で、ご相談から成約まで代表が直接伴走します。
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