介護事業・介護会社の売却価格の相場は?M&Aの価格の決め方を解説|京都

「うちの介護事業、いくらで売れるのか」——介護事業の売却を検討し始めた経営者から、最初に聞かれる質問です。このページでは、介護事業のM&A売却価格がどう決まるか、算定の考え方を参考例とともに解説します。


基本:時価純資産+年倍法

小規模な介護事業のM&Aでは、売却価格は「時価純資産+のれん(営業利益の2〜3年分)」で算定されることがほとんどです。事業規模だけで相場が決まるわけではなく、各社の財産状況と収益性、そして介護事業特有の指定・利用者・人材で金額が大きく変わります。

時価純資産の考え方

貸借対照表の純資産を、時価ベースで評価し直した金額です。介護事業では以下の項目が重要になります。

  • 介護保険の指定・事業権利:新規取得には半年〜1年かかる指定は、保有そのものが資産として評価される
  • 事業所・施設の不動産:自己所有の場合は時価評価で含み益を加算。賃貸の場合は敷金・保証金
  • 介護設備・備品:介護ベッド・車いすリフト・入浴設備・送迎車両など
  • 未収介護報酬:国保連からの入金待ちの介護報酬は回収可能な資産として評価
  • 退職給付引当金:長期勤続の介護職員が多いと引当金が大きくなる傾向。簿外債務として控除
  • リース残債:介護車両・福祉用具のリース残債は簿外負債として控除

のれん(年倍法)の考え方

事業を続けることで生まれる将来の収益価値です。直近の営業利益の2〜3倍を目安に算定することが多く、介護事業の場合は以下の要素で倍率が変動します。

  • 稼働率(訪問介護の利用者数・施設系の入居率・通所の定員充足率)の水準
  • 介護報酬(基本報酬+各種加算)の取得状況
  • 介護職員・看護職員・サービス提供責任者の配置状況と定着率
  • 居宅介護支援事業所・地域包括支援センターとの関係、紹介ルートの安定度
  • 利用者の要介護度構成(重度者比率が高いほど単価が高い傾向)

介護事業の売却価格の参考例

【例1】小規模:訪問介護・従業員5名前後

営業利益500万円・時価純資産800万円の小規模訪問介護事業所の場合:

株価の目安は「800万円 + 500万円 × 2〜3年 = 1,800万〜2,300万円」程度になります。

【例2】中規模:デイサービス・定員20名

営業利益1,000万円・時価純資産2,500万円のデイサービスの場合:

株価の目安は「2,500万円 + 1,000万円 × 2〜3年 = 4,500万〜5,500万円」程度になります。

【例3】施設系:グループホーム・サ高住など

自己所有の不動産を持つ施設系介護事業(グループホーム・サ高住・住宅型有料老人ホームなど)は、不動産価値が加算されるため売却価格が数億円単位になるケースもあります。特に京都市内・宇治・向日・長岡京など高齢者人口の多いエリアの施設は、立地価値だけで大幅な上乗せ評価が期待できます。


売却価格を上げる要因・下げる要因

価格が上がる要因

  • 稼働率が高く、長期的に安定している(訪問介護80%以上・施設系95%以上が目安)
  • 各種加算(処遇改善加算・特定事業所加算・サービス提供体制強化加算など)を幅広く取得
  • 介護職員・看護職員の定着率が高く、有資格者比率も高い
  • 自己所有の不動産、立地の良い事業所
  • 居宅介護支援事業所・地域医療機関・病院のソーシャルワーカーとの紹介ルートが安定
  • 法人内で複数事業所を展開しており、スケールメリットがある

価格が下がる要因

  • 稼働率が低く、下降傾向にある
  • 人員基準ぎりぎりの配置で、人材確保に不安がある
  • 加算取得が少なく、基本報酬中心の経営
  • 建物の老朽化が進み、大規模修繕が近い
  • 実地指導・監査で指摘事項があり、未改善
  • 特定の紹介元への依存度が高すぎる

京都の介護事業の売却市場

京都府内の介護事業は、高齢化の進展で需要が増加する一方、経営者の高齢化・人材不足・介護報酬改定による収益圧迫など課題も抱えています。M&Aによる事業承継需要は全国的に増加中で、京都府内でも活発な動きがあります。

特に京都市内・宇治・向日・長岡京など高齢者人口の多いエリアの事業所は、大手介護チェーンや地域医療法人からの引き合いが強い状況です。施設系(グループホーム・サ高住・住宅型有料老人ホーム)は不動産価値も含めた評価となるため、売却価格が比較的高くなる傾向があります。


よくある質問

Q. 相場より高く売るにはどうすればいいですか?

稼働率を安定させること、各種加算の取得を広げること、介護職員の定着率を高めること、紹介ルートを多角化することが価格アップにつながります。売却まで1〜2年の準備期間を取れるなら、これらの施策を実行する時間が確保できます。

Q. 赤字経営でも売却できますか?

可能です。赤字の原因が「経営者の高齢化による営業力低下」「人材配置の非効率」などであれば、新経営者が改善できる余地があります。のれん部分はゼロまたはマイナスになりますが、指定・設備・不動産の価値は評価されます。

Q. 自分の事業の相場を知るには?

決算書3期分・指定内容・利用者数推移・職員構成の情報があれば、おおよその評価額を算定できます。秘密厳守で無料相談に対応していますので、まずはお気軽にお問い合わせください。


評価時に特有の論点

  • 指定の承継形態の選択:株式譲渡なら指定はそのまま継続。事業譲渡の場合は指定の再取得が必要になるため、譲渡形態の選択が価格にも影響します
  • 介護報酬の実地指導リスク:過去の実地指導・監査での指摘事項、自主返還の有無はデューデリジェンスで必ず確認されます
  • 利用者の要介護度構成:重度者比率が高いほど単価は高いですが、人員配置の負担も大きいため、バランスで評価されます

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