建設会社・建築会社の売却価格の相場は?M&Aの価格の決め方|京都

「うちの建設会社、いくらで売れるのか」——まずここを知りたいという経営者が多いです。

建設会社・建築会社の売却価格は、許認可・技術者・受注残・財務の組み合わせで決まります。「従業員が何名だからいくら」「売上が何億円だからいくら」という単純な目安はありません。この記事では、実際に使われる価格の計算方法と、京都での買い手の傾向をお伝えします。

売却価格はどう決まるか

小規模M&Aでは、売却価格は「時価純資産+のれん」という考え方で算出するのが一般的です。

時価純資産とは、資産から負債を引いた純資産を時価ベースで評価したものです。建設業の場合、重機・車両の時価と帳簿価額の差、完成工事未収入金・未成工事支出金などの扱いが決算に大きく影響します。個人保証・連帯保証の扱いも査定に関わります。黒字でも借入が多く債務超過なら価格はつきません。逆に利益が少なくても、現預金・不動産・許可・技術者の価値が評価されます。

のれんは、事業の収益力・許可の希少性・受注先との関係に対する評価です。直近1〜3年の営業利益(または経常利益)に倍率をかけて算出します。まずは決算書3期分を見せていただければ、おおよその価格帯をお伝えできます。

のれん倍率を左右する4つの要素

①建設業許可と経審の評点

建設業許可の新規取得には、専任技術者の確保・財産要件・実績証明が必要で、申請から許可まで数ヶ月かかります。既存の許可ごと引き継げるM&Aは、買い手にとって大きなコストと時間の節約です。特定建設業許可を持っている場合はさらに評価が上がります。

また、経営事項審査(経審)の総合評定値(P点)が高いほど公共工事への参入機会が広がります。公共工事の受注実績がある会社は、P点を維持していることが買い手の評価に直結します。

②技術者・有資格者の人材

一級建築士・一級施工管理技士・主任技術者・監理技術者などの有資格者は、業界全体で不足しています。有資格の技術者ごと引き継げるM&Aは、買い手にとって即戦力の確保になります。逆に、技術者が退職すると許可の維持ができなくなるリスクがあり、価格が大きく下がります。売却を決める前に、技術者の在籍状況を安定させておくことが重要です。

③受注残・発注者との関係

成約済みの工事受注残(バックログ)は、引き継ぎ後すぐに収益を生む資産として評価されます。官公庁・大手ゼネコン・ハウスメーカーとの継続的な取引関係も高く評価されます。特定の1社への依存が高い場合はリスクとして見られることがありますが、複数の発注先と安定した取引がある会社は評価が上がります。

④工種の専門性

一般的な土木・建築工事に加えて、特定の工種(耐震補強・文化財修理・特殊塗装など)に強みを持つ会社は、代替できる競合が少なく希少性が高いです。その専門性を求めて買収を検討する買い手が存在します。

M&Aで想定される買い手

①同業の建設会社・建築会社

許可の追加・技術者の確保・受注エリアの拡大を目的とした買収です。自社が持っていない許可種別や、不足している有資格者を持つ会社は、同業にとって効率的な拡大手段になります。

②ゼネコン・大手建設会社

地域展開・下請け内製化を目的とした買収です。地域に根ざした発注者との関係・施工実績を持つ中小建設会社は、大手が地域に入り込む際の足がかりとして関心を持たれることがあります。

③不動産会社・設備会社

不動産開発と施工を一体化したい不動産会社、あるいは設備工事から建築工事へと事業を広げたい設備会社が買い手になるケースです。建設業許可の取得を目的とした買収も多いです。

京都での建設会社M&Aの特徴

京都市内は神社仏閣・歴史的建造物の改修・修繕工事の需要が安定して続いています。文化財修理技術者が在籍している、あるいは社寺建築の施工実績がある会社は、京都ならではの希少な存在として買い手から高く評価されます。

また、インバウンド回復に伴うホテル・旅館・商業施設の改修需要も旺盛です。京都市内での施工実績・発注者ネットワークを持つ建設会社は、エリア参入を狙う買い手から強く求められています。

売却価格を上げるために今できること

建設会社のM&Aは、事業が動いている段階で動き出すことが最善です。具体的には次の4点が評価に直結します。

経審を維持・向上させておくこと。有資格者が在籍し続ける環境を整えておくこと。受注残を積み上げた状態で売却時期を迎えること。赤字・許可失効・技術者の退職が起きる前に動き出すこと。これらを意識するだけで、同じ会社でも評価が大きく変わります。

よくある質問

Q. 建設業許可はM&Aで引き継げますか?

株式譲渡の場合、許可を持つ法人ごと引き継がれるため、許可はそのまま存続します。事業譲渡の場合は、買い手が新たに許可を申請する必要がありますが、既存の技術者・実績があることで手続きがスムーズになるケースが多いです。どちらの方式が適しているかは、会社の状況によって異なります。

Q. 経審がない・点数が低くても売れますか?

可能なケースはあります。公共工事の受注実績がなくても、民間工事中心で安定した受注先がある会社は、民間工事をメインとする買い手から評価されます。経審がないことでP点は評価されませんが、その他の要素(許可・技術者・受注残)が価格を支えることがあります。

Q. 未完成の受注工事がある状態で売れますか?

売れます。むしろ受注残がある状態の方が、引き継ぎ後すぐに収益が発生することを示す証拠として評価が上がります。未完成工事の引き継ぎ方法・発注者への説明のタイミングは、交渉の中で調整します。


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