「後継者もいない。でも廃業したら、ドライバーたちの仕事がなくなる。」
京都の運送業経営者から相談を受けるとき、最初にこの言葉が出ることが多いです。2024年問題による時間外規制、人件費・燃料費の高騰。経営環境が厳しくなる中で、「売る」という選択肢をまだ検討していない経営者も多いと感じています。
この記事では、運送業の会社売却(M&A)の流れとメリットを整理します。
運送業でM&Aが選ばれる理由
運送業は、他業種と比べてM&Aで評価されやすい特徴があります。
- 運行ルート・配送ノウハウ:長年築いた配送網は、新規参入では簡単に作れない無形資産です
- 一般貨物自動車運送事業許可:取得に時間がかかる許認可が、買い手にとって大きな価値になります
- ドライバーの人材:ドライバー不足が深刻な今、熟練ドライバーの存在が評価されます
- 既存の荷主との関係:安定した取引先は、収益の確実性として評価されます
会社を売ることで得られる5つのメリット
①引退後の生活資金を確保できる
廃業と違い、M&Aでは売却対価を受け取ることができます。事業規模によっては数千万円〜数億円になるケースもあります。
②個人保証から解放される
車両購入の借入に個人保証を入れている経営者は多いです。M&Aが成立すると、この個人保証が解除されます。精神的な負担が一気に軽くなります。
③従業員の雇用が守られる
廃業すれば全員解雇になりますが、M&Aなら雇用を維持したまま引き継ぐことができます。ドライバーの処遇改善も含めて交渉できます。
④荷主・取引先との関係が継続する
廃業すれば、長年お世話になった荷主との関係もすべて終わります。M&Aなら関係を引き継いでもらえます。
⑤2024年問題への対応力が強化される
大手グループの傘下に入ることで、共同配送・システム投資・人員配置の最適化が可能になります。単独では難しかった課題が解決できます。
売却の流れ(5ステップ)
- 相談・秘密保持契約の締結:まず専門家に相談します。この段階では会社名も出しません。秘密厳守が基本です
- 企業価値の算定:売上・利益・許認可・資産をもとに価値を算定します
- 買い手候補の探索:同業他社、異業種、投資ファンドなどの候補を検討します
- 交渉・条件の調整:雇用条件・売却価格・引き継ぎ期間などを調整します
- 最終契約・クロージング:契約締結後、段階的に引き継ぎを進めます
運送業のM&Aで注意すべき点
運送業特有の注意点があります。一般貨物自動車運送事業の許可は会社に紐づいているため、事業譲渡か株式譲渡かによって手続きが変わります。また、車両の名義変更・リース契約の承継なども確認が必要です。こうした手続きを熟知した専門家と進めることが重要です。
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ご相談を、代表の吾郷が直接お受けします。


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