産業廃棄物処理業・環境リサイクル業の売却価格の相場は?M&Aの価格算定を解説【京都】

産業廃棄物処理業を長年営んできた。後継者もいないし、今後の事業継続を考えると売却も選択肢のひとつに入ってきた。でも、自社がいくらくらいで売れるのか、価格の目安がわからない——。このページでは、産業廃棄物処理業・環境リサイクル業のM&A売却価格がどう決まるか、算定の考え方を解説します。


産業廃棄物処理業の売却価格の基本:時価純資産+年倍法

小規模な産業廃棄物処理業のM&Aでは、売却価格は「時価純資産+のれん(営業利益の2〜3年分)」で算定されることがほとんどです。売上規模だけで相場が決まるわけではなく、各社の財産状況と収益性、そして産廃業特有の許可・設備・取引先の状況で金額が大きく変わります。

時価純資産の考え方

貸借対照表の純資産を、時価ベースで評価し直した金額です。産業廃棄物処理業では以下の項目が重要になります。

  • 収集運搬車両の時価評価:パッカー車・ダンプ・平ボディ車などは中古市場での価値で評価します
  • 破砕機・選別機・圧縮機などの処理設備:稼働中の中間処理設備は資産として評価されます
  • 中間処理施設・最終処分場の不動産:自己所有の場合は含み益を加算、ただし将来の施設撤去費用は控除対象です
  • 積替保管施設の用地:保管場所の土地建物も時価評価します
  • 施設撤去引当金・最終処分場の跡地復旧費用:簿外債務として控除されるケースがあります

のれん(年倍法)の考え方

事業を続けることで生まれる将来の収益価値です。直近の営業利益の2〜3倍を目安に算定することが多く、産業廃棄物処理業の場合は以下の要素で倍率が変動します。

  • 産業廃棄物収集運搬業・処分業の許可を保有していること(取得困難な許可ほど高く評価されます)
  • 特別管理産業廃棄物の許可など、扱える品目の範囲が広いこと
  • 建設会社・工場など安定した排出事業者との継続取引があること
  • 行政からの指導・処分履歴がないこと
  • 特別管理産業廃棄物管理責任者など有資格者が在籍していること

産業廃棄物処理業の売却価格の参考例

【例1】小規模:収集運搬業中心

営業利益600万円・時価純資産2,000万円・収集運搬業の許可のみ保有の会社の場合:

株価の目安は「2,000万円 + 600万円 × 2〜3年 = 3,200万〜3,800万円」程度になります。

【例2】中規模:中間処理業も保有

営業利益1,200万円・時価純資産4,000万円・中間処理施設保有の会社の場合:

株価の目安は「4,000万円 + 1,200万円 × 2〜3年 = 6,400万〜7,600万円」程度になります。

【例3】最終処分場・特管産廃の許可を保有

最終処分場や特別管理産業廃棄物の許可を保有している場合は、取得の困難さから大幅な上振れが期待でき、億を超える評価になるケースもあります。


売却価格を上げる要因・下げる要因

価格が上がる要因

  • 許可の種類が多い(収集運搬・中間処理・最終処分・特別管理など)
  • 取引先が大手建設会社・工場など安定した排出事業者である
  • 処理設備が比較的新しく、稼働率が高い
  • 有資格者が複数在籍している
  • 行政との関係が良好で、指導・処分履歴がない

価格が下がる要因

  • 収集運搬業の許可のみで、中間処理・最終処分の機能がない
  • 特定排出事業者への依存度が高い(依存度が80%を超えるなど)
  • 処理設備が老朽化している
  • 最終処分場の残余容量が少ない
  • 行政処分や指導を過去に受けている

京都での産業廃棄物処理業M&Aの特徴

京都府内の産業廃棄物処理業は、京阪神エリアの建設・製造業からの排出物を扱う事業者が中心です。大阪や滋賀の大手廃棄物処理グループが、京都エリアの拠点拡充を目的に京都の事業者をM&Aで取得するケースが増えています。

また、京都は観光・文化財関連の特殊な廃棄物(美術品・工芸品の処理など)を扱う事業者もあり、こうした専門性はM&Aで高く評価される要素になります。


産業廃棄物処理業の売却の流れ

産業廃棄物処理業のM&Aは、通常6ヶ月〜1年程度の期間をかけて進みます。主なステップは以下の通りです。

  • ステップ1:初回相談・現状整理(1ヶ月):決算書・許可証の内容・設備一覧・取引先構成を整理し、売却可能性を判断します
  • ステップ2:企業価値の算定(2〜4週間):時価純資産と年倍法で想定売却価格を算定します
  • ステップ3:買い手候補の探索(2〜4ヶ月):秘密保持契約を結び、条件に合う買い手を探します。この段階では会社名は明かしません
  • ステップ4:交渉・基本合意(1ヶ月):条件を交渉し、基本合意書を締結します
  • ステップ5:デューデリジェンス(1〜2ヶ月):買い手側による詳細調査が行われます。財務・法務・許可の継続可能性などが確認されます
  • ステップ6:最終契約・決済(1ヶ月):最終契約書を締結し、株式譲渡と対価支払が実行されます

よくある質問

Q. 売却価格はいつわかりますか?

直近3期分の決算書があれば、初回相談から2〜4週間程度で概算の売却価格をお伝えできます。許可の種類や設備の状態を確認するため、現地を拝見させていただく場合もあります。

Q. 赤字でも売却できますか?

赤字でも許可と設備の価値があれば売却可能なケースがあります。特に産業廃棄物処理業の許可自体に価値があるため、業績が振るわなくても買い手が見つかる可能性は十分にあります。のれん(年倍法)部分はゼロまたはマイナスになりますが、時価純資産部分は評価されます。

Q. 従業員や取引先に知られずに進められますか?

はい、成約前に従業員や取引先に知られることはありません。秘密保持契約を結んだうえで、買い手候補にも会社名を伏せた「ノンネームシート」から情報を開示していきます。成約が確定した段階で、社内に発表するのが一般的な流れです。


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まずはご相談ください

産業廃棄物処理業の売却価格は、許可の種類・設備の状態・取引先の構成によって大きく変わります。自社の場合いくらになりそうか、まずは無料相談でお気軽にお問い合わせください。

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