「銀行に個人保証を入れているから、会社を売れない」——そう思っている経営者が少なくありません。これは誤解です。経営者保証があってもM&Aはできます。ただし保証の扱いは、M&Aの交渉の中で最も重要なテーマのひとつです。
経営者保証とは何か
経営者保証とは、会社が銀行から融資を受ける際に、経営者個人が会社の債務を連帯保証することです。会社が返済できなくなった場合、経営者個人が返済義務を負います。中小企業の多くは、この経営者保証を入れて融資を受けています。
M&Aで経営者保証はどうなるか
パターン①:売却対価で借入を完済し、保証が消滅する
売却対価の一部で銀行への借入を全額返済し、保証を消滅させるケースです。借入がなくなれば保証も消えます。売却価格が借入残高を上回っていることが条件で、最もシンプルな解決方法です。
パターン②:買い手が新たに保証人になる(保証人交代)
買い手の経営者が新たに保証人になることで、売り手の保証が解除されるケースです。銀行が買い手の財務状況・信用力を審査したうえで認めれば成立します。借入が残っていても売り手が保証から解放されます。
「保証があるからM&Aできない」は誤解
経営者保証があること自体は、M&Aの障害にはなりません。問題になるのは、保証付きの借入が多く、売却価格を大幅に上回る債務がある場合——つまり実質的な債務超過のケースです。
逆に言えば、事業に収益力があり、売却価格が借入残高を上回っていれば、経営者保証があってもM&Aは問題なく進みます。まず査定を受けて、自社の価格と借入残高を比較することが最初のステップです。
経営者保証ガイドラインの活用
2023年4月に改訂された「経営者保証に関するガイドライン」では、事業承継・M&Aの場面での保証解除が推進されています。銀行は原則として、後継者(買い手)に保証を引き継がせないよう努めることが求められています。制度的な追い風がある今は、保証の扱いを交渉しやすい環境です。
まず何をすべきか
「経営者保証があるけどM&Aできるか」という入口で構いません。現状の借入残高・保証の状況を整理したうえで、査定・銀行との交渉の流れを一緒に考えます。
「売ると決めたわけではない」という段階でも構いません。
会社がいくらになるのか、廃業と売却どちらが得なのか——そういった入口でも、お話をお聞きします。
一人で抱えているより、一度ご相談いただく方が、気持ちが楽になることがあります。
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ご相談を、代表の吾郷が直接お受けします。


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