京都で旅館・ホテルを経営している。後継者はいない。建物は古くなってきた。このまま続けるか、畳むか——そう迷っているなら、廃業を決める前にこの記事を読んでください。
旅館・ホテルのM&Aで何が起きるか
旅館・ホテルのM&Aでは、建物・設備・従業員・顧客基盤・許認可がまとめて買い手に引き継がれます。老舗旅館の屋号やブランドも、交渉次第で存続させることができます。
廃業と比べたときの最大の違いは、従業員の雇用が守られることと、売却対価を受け取れることです。廃業では解体・原状回復費用が発生し、従業員は全員解雇になります。M&Aはその逆です。
旅館・ホテルがM&Aで評価される理由
①立地と許認可の価値
旅館業法に基づく営業許可は、新規取得に時間と費用がかかります。既存の許可ごと引き継げるM&Aは、買い手にとって大きなメリットです。特に京都市内の立地は希少性が高く、買い手候補が見つかりやすい傾向があります。
②インバウンド需要の回復
コロナ禍で落ち込んだ宿泊需要は、京都においては急速に回復しています。京都への訪日外国人は過去最高水準に近づいており、宿泊施設への需要は高い状態が続いています。こうした需要の高まりが、旅館・ホテルを買いたい事業者を増やしています。
③建物・土地の価値
旅館・ホテルは不動産としての価値も評価の対象になります。建物が古くても、土地の価値や立地条件が評価されるケースがあります。特に京都市内の物件は、不動産価値が高く維持されています。
想定される買い手
旅館・ホテルのM&Aでは、以下のような買い手が検討候補になります。
同業の宿泊施設運営会社・ホテルチェーン、不動産会社・ファンド、外資系ホテル運営会社、インバウンド需要を取り込みたい事業者などです。京都という地名は国内外の買い手に対して高い訴求力を持ちます。
京都の旅館・ホテルM&Aで注意すべき点
①建物の老朽化と修繕費
古い建物は耐震性・設備の問題を抱えていることがあります。買い手は修繕費を見込んで価格交渉してくることが多く、売却価格に影響します。売却前に修繕を行うべきかどうかは、費用対効果を見ながら判断する必要があります。
②従業員の処遇
長年勤めてきた従業員の処遇は、売却条件の交渉で重要な論点になります。雇用の継続を条件にするのか、退職金の負担をどちらが持つのか——こうした条件を事前に整理しておくことが大切です。
③屋号・のれんの扱い
先代から受け継いだ屋号や暖簾を守りたいという経営者は少なくありません。屋号の存続を買い手に求めることは可能ですが、法的な拘束力を持たせるには契約上の工夫が必要です。交渉段階でしっかりと確認することをお勧めします。
動くべきタイミングはいつか
旅館・ホテルのM&Aで価格が高くなるのは、稼働率が安定しているときです。赤字が続いたあと、または廃業を公表したあとでは、買い手がつきにくくなります。
「もう少し様子を見てから」と先延ばしにするほど、選択肢は狭まっていきます。廃業か売却か決めていない段階でも、まず相談だけしてみることをお勧めします。
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まずはご相談ください
「売ると決めたわけではない」という段階でも構いません。会社がいくらになるのか、廃業と売却どちらが得なのか——そういった入口でも、お話をお聞きします。
一人で抱えているより、一度ご相談いただく方が、気持ちが楽になることがあります。
ご相談を、代表の吾郷が直接お受けします。


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