
医療機関の門前や、京都の地域医療に密着して展開する調剤薬局。超高齢社会においてその役割は極めて重要ですが、経営の現場はかつてない逆風にさらされています。
毎年のように繰り返される調剤報酬のマイナス改定、そして何より深刻な「薬剤師の採用難」と「人件費の高騰」。自前での採用と出店に限界を感じ、店舗網と薬剤師を一括で確保できるM&A(事業譲渡・株式譲渡)へと舵を切る企業が急増しています。一方で、後継者不在により「地域に薬局を残すため」に譲渡(売り手)を決断する経営者様も少なくありません。
しかし、薬局のM&Aには仲介手数料や、買収前のコンプライアンス調査(デューデリジェンス)など、多額のキャッシュアウトが伴います。このコスト負担を劇的に低減するのが、国の「事業承継・M&A補助金(専門家活用型)」です。
本記事では、認定支援機関である私が、最新の公募要領に基づき、調剤薬局だからこそ活用すべき「労務・法務DD」の重要性と、補助金を確実に受給するための戦略について徹底解説します。
【調剤薬局がこの補助金を絶対に使うべき3つの理由】
調剤薬局のM&Aは、単なる店舗の売買ではありません。高度な専門職である「薬剤師」の雇用と、厳格な「許認可」を引き継ぐ極めてセンシティブな取引です。これらを精査するデューデリジェンス(DD)を怠ると、買収後に致命的なダメージを負います。
慢性的な人手不足の中、特定の薬剤師や管理薬剤師に長時間労働が偏っているケースが散見されます。もし勤怠管理が杜撰で「隠れ残業」が常態化していた場合、M&A後に過去に遡って未払い残業代を請求されるリスクがあります。この「簿外債務」を洗い出すための人事労務デューデリジェンス費用は、本補助金の対象となります。
薬局開設許可や保険薬局指定、麻薬小売業者免許など、薬局運営に不可欠な許認可がスムーズに引き継げるかどうかの法務精査は必須です。また、過去の保険請求(レセプト)に不備があり、厚生局の個別指導で多額の返還金が発生するリスクも潜んでいます。法務のプロ(弁護士等)を入れてこれらのリスクを調査する費用も、補助金を活用すべきです。
多くの補助金は補助率が「1/2」ですが、本補助金の「買い手支援類型(I型)」は、無条件で「補助率2/3」が適用されます。
さらに、基本の補助上限額600万円に加え、デューデリジェンス(DD)を実施する場合は200万円が上乗せされ、最大800万円まで補助枠が拡大します。
前述の通り、調剤薬局のM&Aにおいて「労務・法務DD」は絶対に省いてはならない工程です。弁護士や社労士への調査費用を惜しんで、後から数千万円の返還金や未払い賃金を背負うのは経営判断として間違っています。この「DD上乗せ枠」を最大限に活用し、安全な取引を実現してください。
補助金は申請すれば必ずもらえるものではなく、「審査」を通過する必要があります。ここで強力な武器となるのが「加点事由(ボーナスポイント)」です。
本補助金には、「従業員への賃金引上げ計画を表明する」ことで、審査において加点される仕組みがあります。具体的には、事業場内最低賃金を+30円以上引き上げる計画などを策定します。
調剤薬局においては、医療事務スタッフや薬剤師の確保・定着のために、実態として既に賃上げや待遇改善を予定しているケースが多いはずです。「どうせ市場の要請で賃上げするなら、それを補助金の加点材料として公式に表明し、採択を確実に勝ち取る」。これが賢い経営者の戦略です。
補助金は「何でも使える」わけではありません。特に薬局経営者が勘違いしやすいポイントを整理しました。
【対象外(NG)になる経費の代表例】
【対象(OK)になり得る経費】
補助金申請において、最も多い失敗が「フライング着手」です。
原則として、補助対象となる経費は「交付決定通知書」が届いた日以降に契約・発注・支払いを行ったものに限られます。
例えば、交付決定通知が届く前に、M&A仲介会社と本契約を結んだり、弁護士にDDを依頼して契約書を交わしてしまった場合、その費用は全額対象外となります。「もう先方と話し合いが進んでいるから」と焦ってハンコを押してしまう前に、必ず認定支援機関を巻き込んでスケジュールを調整してください。
代表の吾郷は、国に登録された認定経営革新等支援機関です。公的な専門家として、以下の視点から皆様の事業承継をバックアップします。
当事務所の支援スタンス
仲介手数料や法務・財務デューデリジェンス費用で総額600万円(税抜)の経費が発生する場合の想定です(買い手支援類型)。
さらに、DD費用として追加で150万円がかかった場合、その2/3(100万円)も上乗せ補助されるため、合計500万円の補助を受け取ることが可能です。この手厚い支援を使わない手はありません。
※公募回や申請枠の要件により、補助率や上限額は異なります。申請前に必ず最新の公募要領を確認してください。
調剤機器は対象外、契約は交付決定後など、専門知識がないと数百万円を損する落とし穴が沢山あります。
認定支援機関としての知見を活かし、貴社が「確実に得をする」ための補助金活用と専門家連携のプランをアドバイスいたします。
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